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カテゴリ:企業再生

日本の企業の99%は中小企業

 

選挙の際、街頭演説者による「日本全国の380万企業のうち、99%は中小企業です。私達△△党は99%の中小企業の皆さん、庶民の皆さんのためになる・・・・(以下略) 」という表現をよく耳にしました。一部の強者ではなく、大多数の弱者の味方です!という主張です。選挙に限りませんが、「日本の企業の99%は中小企業」という話を聞いたことはりませんか?

 

電車の中や周囲を見回してみましょう。視界に入る方々のうち、99%の人が中小企業に所属しているのでしょうか?なんだか大きく違和感を感じませんか? そう、そこには意図的な誤解への誘導が含まれているのです。

 

① 日本の企業の99%は中小企業
② 自分達は99%の中小企業の味方
③ だから、自分達は(99%に該当する)庶民の味方

という誤解への典型的誘導です。

 

① 日本の企業の99%は中小企業

 

これは本当です。2012年の日本の企業数(会社+個人事業者)の総数は386万3千者です。このうち中小企業(中規模企業+小規模事業者)は385万3千者で、全体の99.7%を占めます。更に小規模事業者のうち、従業員5人以下の小企業者(一般に零細企業と言われています。)が全体の80.7%になります。ちなみに日本にある会社(法人)数は168万8千社です。

 

 

余談ですが、大企業(従業員300人超)に区分される個人事業者が277者もあるのにビックリしました。会社(法人形態)にしないのは、何故なのでしょうね?一方で、個人事業者のうち、小規模な個人事業者が94%も占めているのも、周囲を見回すと納得できます。

 

② 自分達は99%の中小企業の味方

 

味方になるとは、「税制」や「補助金」等、中小企業向けの具体的施策を意味しています。大企業とは別枠に、中小企業向けの優遇税制・補助金を用意しますよ、という意味です。ところが、税制での中小企業の定義は「資本金1億円以下」という区分けになっていて、①の中小企業の区分けとは一致しません。演説者の話の内容から定義を推測すると、中小企業法で定義する「中小企業」の中の、中規模企業を除いた小規模事業者が近い概念だと思います。また補助金は、特定の政策目標を達成する予算に起因していて、支給対象を会社の規模の大小で区分けしているものはあまり存在しません。

 

演説者の強調したい中小企業 ➡ 企業の86%を占める小規模事業者(従業員20人以下の企業)
中小企業者の定義中小企業庁HPへリンク)

 

③だから、自分達は99%に該当する庶民の味方

 

最大の問題はココです。演説者が語り掛けているのは、有権者です。企業に所属しているヒト(=従業員)であって、中小企業という企業体(会社・個人事業)にではありません。では、企業数と従業員数はどんな相関関係にあるか見てみましょう。

 

 

演説者が声高に強調したい中小企業(小規模事業者)は、企業に働く人のうち25.8%しか占めていないのです。この数字が示しているのは、

「一部の強者ではなく、99%という大多数の庶民の味方です!」
ではなく、
「25%の弱者(?)救済を目指して、優遇措置を取ります!」

になります。随分違いますよね。大企業(従業員300人超、子会社等は含まない)で働く人は全体の30%に達していて、この割合を一部というのも無理があります。「日本の企業の企業のうち99%は中小企業」なのですが、働く人の割合は、実は70%程度になり、その中でも小規模事業者の割合は25%程度と少数派なのです。

 

【 図表は中小企業白書2014年版から抜粋しています。】

 

セカンド・オピニオン㈱代表取締役
企業再生人® 小澤隆