企業再生人®ブログ

 
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カテゴリ:企業再生

執行役員・会計参与

 

会社の肩書には色々なものがあります。社長・副社長・専務・常務・取締役・部長・部長代理etc。困るのは、「肩書がどのくらい偉いのか分からない」という時です。名刺交換した際に見慣れない肩書に遭遇すると、緊張が走ります(笑)。

法律(商法・会社法)で定める株式会社の肩書(地位)は
・取締役(代表取締役を含む)
・会計参与
・監査役

の3つです。これらを総称して一般的に「役員」と言われます。代表取締役・取締役はイメージが湧きやすいですね。代表取締役は「社長」であることが多いですし、取締役も「専務」「常務」「平取締役」などで経営陣として、とても偉い地位にあるのだろうなぁと分かります。監査役は閑職のイメージが強いですが、法律上は取締役と並列した独立した機関で、取締役のお目付け役です。なお、「社長」「専務」「常務」等の肩書は法律で示す地位ではなく、あくまで各会社の内規に基づく肩書表示です。ですので「社長」の代わりに「CEO」とか、外資系っぽく「 Managing Director」という肩書を使う会社もあります。内規ですから、どんな名称も自由に使えます。

 

会計参与って何?

 

会計参与とは2005年の会社法改正で導入された、比較的新しい機関名です。任意設置なので制度としては一般的には浸透しておらず、このため、あまり知られていません。

以前から日本の中小企業の決算書は信頼性に乏しい(粉飾決算が多い)という指摘かありました。本来は監査役がそのチェックをするのですが、そもそも会計知識が豊富な方が監査役になることが少なく、チェックしたくても出来ないというのが現状でした。そこで上場企業と同じように外部からの会計監査を受けるようにしたらどうか?という声が上がったのですが、中小企業に年間最低でも数百万円以上の費用が掛かる会計監査を義務付けるのは非現実的です。

そこで、「会社の役員として、取締役と共同して計算書類の作成を行うとともに、会計参与報告書を作成する機関(会計参与)を新設し、会計参与になれる人は、税理士・公認会計士(または税理士法人・監査法人)のみ」という妥協案が成立しました。ところが会計参与の設置は任意であり、その設置の会社側メリットも曖昧で、あまり機能しているようには見えません。会計士・税理士の働き口を拡大しただけのようにも感じられて、「粉飾決算の罰則を強化」した方がよほど効果的なのでは?と個人的には思います。

 

執行役員って「役員」ではないの?

 

執行役員とは「役員」という文字が入っているので紛らわしいですが、「部長」「課長」と同じく会社の内規にもとづく肩書です。従業員の中でトップの肩書というイメージでしょうか?

会社と役員の法律関係は委任・準委任契約としての性質を持つ任用契約で、従業員の場合の雇用契約と異なり、株主総会で選任されます。ですので、役員は、労働基準法上の労働者には該当せず、雇用保険の対象に含まれません。実務的には、中小企業の取締役は代表取締役を除いては兼務役員(取締役+従業員の双方を兼務していて、それぞれの役員報酬と給与金額が設定されている。)として、従業員の給与相当は雇用保険に入っています。

更に紛らわしいですが、似たような名称に「執行役」というのがあって、こちらは会社法の下での委員会設置会社の業務を執行する者(機関)です。委員会設置会社は上場企業のような大組織のケースが殆どなので、説明は省略します。

 

肩書って、沢山あって複雑です。公務員特有の肩書名もありますし、下手に間違うと相手のプライドを傷つけかねないので、気を使います。

 

セカンド・オピニオン株式会社 代表取締役
企業再生人® 小澤隆