企業再生人®ブログ

 
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カテゴリ:企業再生

株式会社の「誕生」と「終わり」

 

株式会社の「誕生」は設立手続きを経て、「設立登記」することによって誕生します。設立手続に関しては、Web上や書籍、インキュベーションサービス等、多くの場所で説明がされています。「会社設立キット」を使って自分一人でも作業可能です。定款認証代や登録免許税で最低20~24万円が必要で、司法書士等に設立代行をお願いすると、別途報酬が20万円~30万円かかります。余談ですが、私も「コスト削減と勉強のため」という理由で、自分で会社設立手続きをしたことがありますが、「勉強は1回で充分」と思いました(笑)

「誕生」があれば当然会社の「終わり」もあります。誕生が「設立登記」なら、会社の終わりはどんな場合なのでしょうか?

 

株式会社は「解散」する

 

会社の解散とは、会社の営業活動を終了することを意味します。会社が「解散」に向かうケースは、吸収合併で法人格が消滅・特別法上の解散原因の発生等、特殊なケースを除くと、以下の2パターンです。

Ⅰ 株主総会特別決議による解散(任意解散)
Ⅱ 破産手続開始の決定による解散(強制解散)
番外編:放置(休眠会社)

Ⅰは経営者の判断による自主廃業のようなケース、Ⅱは倒産のケースです。会社を「解散」しても、直ちに会社がなくなるわけではありません。会社解散後は清算手続きを行う目的でのみ会社は存続し(「清算会社」へ移行)、清算手続きが完了すれば会社が消滅して、晴れて(?)会社が「終わる」ことになります。番外編の放置は、まさしく何もしないで放置されている状態です。

 

清算手続と破産手続

 

株式会社の清算手続は、法律上定められた手続きによって財産整理を進める法定清算手続で、解散時の会社の財政状態が資産超過の場合は「通常清算」、債務超過の場合は「特別清算(清算手続きが裁判所の監督下で進められる方法)」になります。

「通常清算」も「特別清算」も、会社設立手続と違って大変複雑で、費用も時間も掛かります。最短では官報公告の2ヶ月で済みますが、実際には資産の換価処理(土地の売却など)に時間が掛かったり、債権者・株主とのモメ事があったりすると、数年かかる場合もあります。清算人(通常は「社長」が清算人になります)の責任も重く、税務処理も複雑なので、とても独りで出来るシロモノではありません。変な言い方ですが、「破産手続き」の方が余程ラクに思えてしまいます。

株式会社の破産手続の終了には、終結と廃止があります。終結又は廃止決定により、会社の権利義務は消滅し、会社の法人格は完全に消滅します。裁判所に任命された破産管財人と会社側の破産申立代理人(弁護士)が処理していくので、その指示通りに作業していくと自動的に会社は「終わり(消滅)」します。

 

放置された会社はどうなるのか?

 

前述したように、会社の清算手続はそれなりに費用も時間もかかります。清算手続きが面倒と感じたり、破産手続きするような債務がなかったりすると(あったとしても)、残念ながら放置されてしまう会社も多いのです。このような休眠状態を是正するため、「みなし解散」という制度があります。

休眠会社又は休眠一般法人について,法務大臣による公告及び登記所からの通知がされ,この公告から2か月以内に役員変更等の登記又は事業を廃止していない旨の届出をしない場合には,みなし解散の登記がされます(この一連の手続を「休眠会社・休眠一般法人の整理作業」といいます。)。
法務省HP 休眠会社・休眠一般法人の整理作業の実施について

多くの方が誤解しているのですが、「株式会社を12年間放置しておくと、国が自動的に会社を消滅させてくれるのかぁ、ラッキー」という都合の良い話ではありません。みなし解散は解散登記によって「清算会社」になって存続するだけで、会社が自動的に消滅するのではないのです。登記をサボった分の過料も請求されますし、会社の債権債務や取締役の法的責任は、みなし解散前と同様に残ったままです。もっとも、12年間も放置状態が許容されているなら、債務は時効(商事消滅時効)か、会社(法人)より本人(自然人=リアルな人間)が先に自然消滅してる可能性が高いですが。

 

何らかの理由で会社を放置していても、次の人生のステップに良い影響はありません。どういう形であれ、会社の決着を付けて置く方が良いのです。

 

 

セカンド・オピニオン株式会社 代表取締役
企業再生人® 小澤隆