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カテゴリ:企業再生, 法人保険のウソ

法人保険(法人向け生命保険)のウソ(1)

 

最初にお断りしますが、私は特定の「法人保険(法人向け生命保険)」商品に対して攻撃するつもりはありません。ただ、一般的な法人保険の説明があまりに杜撰なのはおかしいと思っていますし、これを会社に満足に説明できる方がいない現状はおかしいと思っています。

個人向け生命保険と異なり、法人保険は保険料が高額な商品が多くなります。法人保険は本来の社長の死亡保障のほかに「節税目的」が入り込んでいるので、様々な保険商品設計が行われているからです。税務当局も「節税目的」の保険商品に対しては網をかけていきますが、保険会社はそれを上回るように新たな商品設計をするという“イタチごっご”の様相です。

 

法人保険と保障内容

 

生命保険とは死亡保険金に代表されるように、社長が不意に死亡した際に生じるであろうリスクを保障する目的です。

・社長死亡時の信用力低下による損益の一時的悪化に耐える運転資金の確保
・借入金返済及びその連帯保証引継ぎのための資金確保

が主なリスクでしょうか。つまり、社長が死亡した際の保険金は社長の遺族に支払われるのではなく、会社に支払われるものです。勿論、会社の財政状態がピカピカで充分な資金余力があれば、生命保険に入る必要はありません。

上記が本来の生命保険の趣旨です。この趣旨からすると、保障(死亡保険金)に見合う保険料が安い「掛け捨て保険」が一番合理的なのですが、不思議なことにこれらに該当する保険商品が驚くほど少ないのです。

私自身の経験ですが、保険会社数社に同じ保障内容で法人保険の見積もりを出してもらったところ、保険料が35%~100%の間でバラつきました。日系大手保険会社と外資系保険会社(日本法人)の差は倍以上です。「保険商品の幅が広い日系大手保険会社の方が、保険料が安いかな?」と思っていたのですが、結果は真逆でした。理由は「日系大手保険会社は掛捨ての法人向け生命保険商品が少なく、リスク細分化計算が出来ていない」からです!いかに日系大手保険会社の商品設計が「節税目的」保険商品に偏って歪んでいるかを目の当たりにした瞬間でした。

 

 謳われる法人保険のメリット

 

法人保険のメリットとして謳われるのは、主に以下の3点です。

① 一般的な節税方法よりも節税効果が高い
② 資金調達の手段として使える
③ 将来の退職金に備えることが出来る

そして、デメリットと説明されるのは以下3点です。

① 保険を使った節税は課税の繰り延べに過ぎない
② 会社のキャッシュフローが悪くなる
③ 解約のタイミングを間違えると損をする

さて、メリットとデメリットを比較していかがでしょう?多くの法人保険商品の説明では、上記メリット・デメリットを示したうえで「会社の将来事業計画(資金支出計画)」が大事だと結んでいます。

おかしいと思いませんか?上記のメリット・デメリットは真逆の意味を示しています。また本来、将来の不確実性リスクに備えるための保険に対し、「確実性ある事業計画」を要求しているのです。

結論から言うと、法人保険には節税効果はありません保険本来の保障以外にメリットを見いだせず、特定の経済環境下以外では、支出の固定化や保険を使うコストを考えるとデメリットの方が大きいのです。

 

次回 法人保険(法人向け生命保険)のウソ(2) に続きます。。

 

セカンド・オピニオン株式会社 代表取締役
企業再生人® 小澤隆