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カテゴリ:企業再生

副業解禁と起業

政府主導で副業が全面解禁になりそうです。

新卒から定年まで生涯1社で働く終身雇用の考え方が大きく変わろうとしている。政府は年度内にも、副業・兼業の事実上の解禁に踏み切る。国がつくるモデル就業規則の副業禁止規定を改定すると同時に、長時間労働を招かないよう労働時間や健康管理の指針を盛り込んだガイドラインの策定にすでに着手。来春、公開する見込みだ。

(中略)

政府が副業容認に転じる背景には、急速に進む少子高齢化による労働力不足への危機感がある。人口減少時代を迎え、企業サイドでは優秀な人材の獲得・流出防止や人手不足対策につなげたい考えだ。

一方、個人にとっても、人生100年時代を見据えた複線的な働き方や選択肢の多様化が、期待できる。

しかし現状、8割以上の企業が副業を禁止する根拠の一つには、厚生労働省が策定する「モデル就業規則」の存在がある。ここでは原則的に、副業禁止が明示されているのだ。

(遵守事項)第11条6許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。
(懲戒の事由)第62条7第11条、第13条、第14条に違反したとき。
※ 厚生労働省モデル就業規則より抜粋

厚労省の検討会では、この副業禁止の記述を見直し「原則的に副業・兼業を容認」の内容へ改定する方向。モデル就業規則に強制力はないが、これを参考に自社の就業規則を策定している企業も少なくない。国による改定は、多くの企業に自社の「副業禁止規定」の再検討を迫ることなりそうだ。

( Business insider 2017.11.13配信)

 

現在の副業の状況は?

平成 26 年度 兼業・副業に係る取組み実態調査事業 報告書(中小企業庁委託事業 株式会社リクルートキャリア)」の調査によると、「兼業・副業を推進もしくは容認している企業割合は14.7%と少なく、また実態として兼業・副業を容認している企業群は、情報通信業に関連する企業が多数を占めている。(抜粋)」とあります。

また実際に副業を容認している企業の従業員からは、メリットとして下記が挙げられています。

・将来の起業に向けて準備ができる。(株式会社オールプレジデント社員/情報通信業)
・副業が物事の視野を広くしてくれる。(株式会社トレンダーズ社員/サービス業)
・本業とは異なるスキルが身に着く。(株式会社エンファクトリー社員/情報通信業)
・社外の人脈が広がった。(サイボウズ株式会社社員/情報通信業)

少子化によって人材確保が困難になっていく中、雇用形態の選択肢を増やす方向は正しいと思います。ただ副業や「複業」の増加が起業の増加に繋がるかは、まだまだ未知数だと思います。

 

起業についてのアドバイス

「起業」には異なる2つタイプが混在していて、IT起業家のような「ベンチャー企業家」を目指すのか、「自営業」タイプを目指すのかで大きな差があると思っています。「自営業」タイプの「起業」というのは決して難しいものではありません。極端な言い方ですが、「自営業」タイプに求められる要素は、「会社組織の従業員」で求められる要素とほぼ同じだからです。「自営業」と「会社組織の従業員」の一番の大きな差は、「他人の下で働きたくない」という本人の働き方への嗜好・選択だと思います。

面白い本があります。

[新版]〈起業〉という幻想(スコット・A・シェーン著 白水社)

起業大国と思われるアメリカの起業状況を、統計資料を用いて作者なりの分析結果を与えています。その中で、「統計的にみて起業率が高いのは圧倒的に発展途上国でありアメリカは世界平均より低い」こと、「典型的なスタートアップ企業は、革新的ではなく、何らの成長プランも持たず、従業員も一人(起業家その人)で、10万ドル以下の収入しかもたらさない。」等を言及しています。私も「起業こそが経済成長をもたらす」という論調には懐疑的です。

日本で起業率が低いのは、「起業する必要がない」ほど会社への雇用機会が多いとも言えるのです(先進国最下位の起業率は問題ですが)。少子化になり若年労働者が減少するするほど、その傾向は高まるでしょう。一方で「過労死」や「非正規社員」に代表される雇用問題は、雇用形態の選択肢が少な過ぎるからだとも考えています。従業員側の選択肢が多く会社とのパワーバランスが是正されれば、そのような働き方しか提示できない会社は淘汰されていくと思うのです。

 

起業についてのアドバイスについて

「ベンチャー企業家」タイプについて多くを語るには私程度ではおこがましいのですが、数百人以上の従業員を抱えるオーナー社長としての経験から言わせてもらうと、「従業員・自営業しか経験のない起業コンサルタントのアドバイスは、参考にはなっても真剣に聞いてはいけない」と考えています。物事の判断基準が、「会社組織の従業員」や「自営業」タイプと大きく異なる、もしくは真逆ではないかと考えているからです。

この辺りの話は。「企業再生投資 研修会」でも熱っぽく語っています(笑)。起業アドバイスという名の、自営業起業タイプの候補者からフィーを取るだけのフィービジネスに引っ掛かって高い勉強料を支払わないで欲しいと思います。もしからしたら、起業を目指す人には、それすら必要な経験値かもしれませんケド。

 

セカンド・オピニオン㈱代表取締役
企業再生人® 小澤隆