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カテゴリ:企業再生

利率と利回り

投資不動産の広告を見ると、「表面利回り」10%以上や「実質利回り」7~8%という、この低金利時代に景気のいい数字が踊っています。そんな高い利益率があるのなら、「金持ち父さん、貧乏父さん」のようにお金持ちになる道も早そうですよね。また投資不動産広告の中で「定期預金の利率と不動産投資利回り」を比較しているケースを見かけるのですが、「なぜ土俵の違うモノを比較対象にするのだろう?悪意があるなぁ」と思います。

 

利子と利息

「利子」・「利息」という言葉の使い分けは、私自身は、あまり意識していません。ファイナンス等の経済面で使うときは「利子」、法律用語では「利息」という使い分けを無意識にしているくらいですが、税務では「利子税」というように「利子」を使っていますし、簡単に検索してみても、ニュアンスの違いはあれ、明快な差異はないようです。

利子(りし)とは、貸借した金銭などに対して、ある一定利率で支払われる対価。

利息(りそく)と利子は通常同じ意味で使われるが、借りた場合に支払うものを利子、貸した場合に受け取るものを利息と使い分けることがある。また、銀行預金では利息と呼ぶ(ゆうちょ銀行では利子と呼ぶ)。法律用語としては利息を用いるのが通常である。
(ウィキペディアより)

 

利率と利回り

「利率」と「利回り」も、一見すると「利子」と「利息」のように同義語のように見えますが、大きく違います。

利率:
利率(りりつ)または利子率(りしりつ)は元本に対する1年間の利子の割合を指す

利回り:
利子も含めた年間投資収益の投資金額に対する割合を指す。

「利率」は定期預金や債券等の元本に対する利子の割合です。利率は変動であれ固定であれ、契約で事前に決定されているものであり、また一般的には元本金額が変動しない投資対象に用いられますなお、同じ利率でも、「単利」と「福利」では収益結果が違います。

一方で「利回り」は、利子を含めた他の投資収益を合算した収益率です。投資対象がクーポン国債のような債券だと、元本が変動しないので「利率」≒「利回り」になるのですが、投資対象が投資信託や不動産の様に元本が変動する投資対象になると、大きく異なるのです。

問題は「表面利回り」「実質利回り」の概念の差ではありません。「利回り」の本質を隠すため、わざと「表面利回り」「実質利回り」を不動産広告では強調していますが、そこに注目し過ぎないで下さい。「実質利回り」なんて、「利率」と違って単なる参考指標でしかないのです。

 

【「実質利回り」の本質】
・投資対象前(購入前)の利回りとはあくまで過去実績又は将来見込みであって、この利回りが保証されたものではない、「想定利回り」である。
元本の変動(売買損・売却益)が「想定利回り」には含まれていない。

 

例えばマンション投資で言えば、「実質利回り」には
・空室による家賃減少
・経年による家賃単価減少
・将来の不動産価格の低下
が一切含まれていないのです。家賃収入の見積もりも杜撰ですし、家賃収入を想定通り得ても不動産売却時に大損してしまえば、確定利回りがマイナスになることもあるのです。「実質利回り」というのは、この程度のあやふやな仮定計算の指標程度のモノです。

そもそも不動産投資とは「利回り」目的ではなく、レバレッジを利用したキャッシュフロー投資であって、そこを理解出来ていない方が扱う投資対象ではありません。税金対策用という宣伝文句もバカバカし過ぎて大笑いです。

 

投資不動産広告の10%以上とかいう「表面利回り」や7~8%の「実質利回り」を見て、「あぁ、世の中にはこういう不動産投資をやってお金儲けしている人が多いんだろうなぁ」なんて思う必要は一切ありません。「利回り」思考で不動産投資を実施した人は高確率で大損することになるので、ご安心(?)を!

 

セカンド・オピニオン㈱代表取締役
企業再生人® 小澤隆