企業再生人®ブログ

 
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カテゴリ:企業再生, 企業再生投資

企業再生投資⑥ 再生案件失敗の後に

つい先日、海外出張の飛行機の中で偶然にもお知り合いのインド人にお会いしました。彼とは企業再生案件でご一緒した関係なのですが、リーマンショック以降ご無沙汰していたので、もう10年近く振りになるでしょうか?

彼のビジネスは日本が中心ですが、プロジェクトベースでインド企業の日本進出や日本企業のシンガポール進出のサポートをしていたので、その出張の最中のシンガポールから日本に向かう機内で偶然お会いしたのです。正確には、私は彼に気づかず、彼の方から座席にやってきて「小澤さん?」と話しかけてくれました。機内で「ゆっくり寝よう」モードになっていた私は、反応が変だったと思います(笑)。

 

企業再生案件失敗の後処理

彼とは企業再生投資②でも登場した、リーマンショックの直撃を受けて大失敗に終わった企業再生案件で一緒でした。彼のもとで多国籍な外国人スタッフが働いていて、そのオペレーションを取り仕切っていた方です。

企業再生案件として大失敗に終わったあと、様々な人間模様が発生しました。悲しいことに、お金が無くなると様変わりしてしまう人もいます。信頼していた方が、ウソをつきまくって私からお金を借り、挙句に私を連帯保証人に仕立てて逃げようと企んだり、リーマン破綻のニュースで資金回収のために会社に押しかけて来たり、「お前は終わりだ」のように冷笑して去っていったり、ブログではとても書けないような修羅場も多く発生しました。

この企業再生案件が失敗になる直前、インド人の彼も、この再生案件に関わった同郷のビジネスパートナーに裏切られ裁判沙汰に巻き込まれてしまいます。彼には今回初めてオープンにしましたが、破綻処理で苦しい中、彼と彼の配下スタッフらを他社に引き継いでもらうことで彼らの生き残りを図り、その事業譲渡対価をほぼ無償とする代わりに彼の裁判コストを負担してもらう幕引きを図りました。彼は当時、なぜ裁判コストの自己負担が少ないのか不思議だったらしく、今回ようやく理解出来たと笑っていました。そして、「お互い何とかサバイブ(生き残った)したよね」とも笑い合いました。

今になって振り返ってみると、大失敗に終わった企業再生案件ですが、多くのことを学んだと思います。破綻処理の際に人を見下げて去っていった方は、その後も同じようなビジネス結果の繰り返しで、あまり良い目に合っていません。残った負債処理を悶々と続けた日が長かったので、それが自分の良い冷却期になったせいでしょうか?破綻処理の中でケンカ腰になりながらも真面目にやり合った方は、当時の感情はともかく、今では笑顔で当時の話を振り返ったり、新たなビジネスでご一緒することもあります。会社破綻を恐れるのでなく、個人の信用を落とす方を恐れるべきなのだと、今なら思えます。

 

破綻懸念時の孤独感

破綻懸念に陥った会社の社長は恐ろしく孤独です。視野狭窄にもなり、思考回路も悪いことしか思い浮かばなくなります。逃げたくなったり、一発逆転を狙って怪しげな投資に手を出したくなるのも心情的には理解できます。そういった孤独な土壇場で、何を信じ、どのような行動を取るかは、その方の信念や生き方が拠り所になっていると思うのです。

長期的視点でみれば、破綻懸念に陥った時期は会社・ビジネスを抜本的に変えることが出来る絶好のチャンスなのです。仮に会社が維持できなくても、ビジネスによる金銭的失敗は、その失敗経験をもとに次のビジネスによって何十倍にも回復可能です。(私の拙い経験だけでなく、そのような社長を沢山知っています。)企業再生人として、そうやって自分自身を信頼して行動を取る方のサポートが出来れば本望だと思っています。

 

セカンド・オピニオン㈱代表取締役
企業再生人® 小澤隆

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