企業再生人®ブログ

 
セカンド・オピニオン所属の企業再生人®が、企業再生をテーマに発信していきます
カテゴリ:企業再生

事業承継ガイドライン

事業承継ガイドライン」というものをご存知ですか? これは中小企業庁が中心となって、中小企業の事業承継を円滑化させる取り組みです。

簡単に意訳して纏めると、「経営者の高齢化が進む中で事業承継を真面目に考えている方は少ない。親族に承継・会社売却・廃業、どの選択肢も時間がかかるものなので、今から準備しよう。とりあえず中小企業庁が全国に設置している『よろず支援拠点』に相談しよう!」というガイドラインです。

 

(注)以降の図表は、中小企業庁「事業承継ガイドライン」及び「事業承継ガイドラインについて(概要)」から抜粋したものになります。

 

事業承継ガイドラインの概要

中小企業庁HPによる事業承継ガイドラインの概要説明です。

本ガイドラインの主な内容は、以下の3点です。

(1)事業承継に向けた早期・計画的な取組の重要性(事業承継診断の導入)
(2)事業承継に向けた5ステップの提示
(3)地域における事業承継を支援する体制の強化

中小企業経営者の皆様や、経営者の身近な存在として活動されている団体や金融機関等の支援機関の皆様に、本ガイドラインを参考にしていただき、価値ある事業をしっかりと次世代へ承継していただくことを期待しています。

中小企業庁HPより)

よろず支援拠点での相談内容順位

よろず支援拠点への年間相談内容件数(総計約24万3千件)は、「売上拡大」に関する相談が6万4千件(26%)でトップ、以下、「施策活用」1万9千件(8%)、「事業計画策定」1万4千件(6%)、経営改善・事業再生1万3千件(5%)と続きます。「事業承継」に関する削談は2千件(0.8%)と1%未満に過ぎず、「本当に皆さん困っているのか?」という素朴な疑問が生じます。

中小企業とは言え、自営業レベルではなく従業員を数十人以上抱える会社組織として一定年数の経営経験のある経営者なら、それなりに相談相手も居るでしょうし、経営者本人がある程度の知識もお持ちだと思います。「事業承継」に相談するのは、業績が芳しくなかったり、承継するには債務超過等の問題があったりと、問題の本質が別にあるのでは?と推測しています。

勿論理念は大変素晴らしいです。一方で、心の狭い私には、困った中小企業を助けるというより、「よろず支援拠点」に情報を集めて「経営革新等支援機関」らに仕事を流すスキームのように見えてしまうのです。

 

事業承継に向けた5ステップ

事業承継ガイドラインによる5ステップです。「中小企業経営力強化支援法」により認定された銀行・士業・コンサルタントらの「経営革新等支援機関」は、概ねこれらのガイダンスに従った助言をします。まずは状況把握の「見える化」からスタートです。

 

残念ながら、私自身は「経営革新等支援機関」への登録への興味が無いので、どのくらいの均質性をもって助言がなされているは分かりません。ただ、実際に融資をしている金融機関と士業・コンサルタントらでは利害関係が大きく異なるので、知識レベルとは無関係に、助言内容に濃淡が生じるのではないか?と推測しています。

 

連帯保証の解除について

事業承継だけでなく、企業再生の中でも「連帯保証の解除」がスキーム策定の大きな問題点になります。事業承継ガイドラインの中で、「金融機関に対して経営者の 個人保証の解除の申し出・相談を行った中小企業経営者のうち、4割の経営者が、金融機関が保証解除に応じたと回答している」という記述があり、ここに強い関心があります。

「経営者保証ガイドライン」では、『保証債務の履行時に返済しきれない債務残額は原則として免除すること』を定めていますが、あくまで努力目標なので、実際の運用ではあまり効果が無いと思っていました。アンケート先の企業の状況が判然としないので推測でしか無いのですが、このアンケート結果のとおりの実績が得られるのであれば、「経営革新等支援機関」に相談する大きなメリットです。

経営者保証ガイドラインの策定後、独立行政法人中小企業基盤整備機構の実施したアンケートによれば、経営者保証を解除したいと考えている中小企業経 営者のうち、金融機関に対して、経営者保証の解除を申し出、又は相談を行った経営者は、全体の2割である(図表20)。そして、金融機関に対して経営者の 個人保証の解除の申し出・相談を行った中小企業経営者のうち、 4割の経営者が、 金融機関が保証解除に応じたと回答している(図表21)。 一般に、自ら経営者保証の解除を申し出る中小企業は、その申し出の際には経営者保証ガイドラインに即した対応(詳細は後述)を行っている、もしくは その努力を行っている事業者であると考えられるが、申し出の結果、多くの経営者が、経営者保証の解除や解除困難な理由の丁寧な説明など、一定の効果を得られている。 このように、経営者保証ガイドラインは中小企業経営者の個人保証の問題に関し、新しい動きを生み出しているものと言える。

 

セカンド・オピニオン㈱代表取締役
企業再生人® 小澤隆
企業再生をテーマに情報発信 「企業再生人®ブログ

 


【玉利ようこ】
企業再生テーマのビジネスコミック 「企業再生人®ブログ

 

コメントは受け付けていません。