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カテゴリ:企業再生

社長解任劇と臨時報告書

21LADY』という会社をご存知でしょうか?2000年(平成12年)3月7日創業。主な事業は投資育成事業とライフスタイル産業の総合支援事業の会社で、「洋菓子のヒロタ」の運営会社です。

 

洋菓子のヒロタ」HPより

 

「洋菓子のヒロタ」を再建・上場

2002年に経営破綻して民事再生法を適用したシュークリーム製造販売の『洋菓子のヒロタ』の再建スポンサーとなり、再建に成功。その再建実績を持って2004年に上場も果たした会社です。現在は、子会社には洋菓子店「HIROTA」を運営する「洋菓子のヒロタ」のほか、インテリアショップ運営の「イルムスジャパン」も傘下にあります。

『21LADY』創業者の藤井道子氏は、カフェ・ド・クリエ」の立ち上げや「タリーズコーヒー」の字事業拡大に手腕を発揮した事業家で、民事再生法適用となった会社を子会社化・経営再建させて上場させた「再生請負人」でもあり、企業再生人の私としては、その実績と動向にとても興味がありました。

創業者の藤井道子は京都府出身、1985年に関西学院大学文学部を卒業し、富士通オアシス勤務を経て、大手コンサルティング会社ベンチャー・リンクでFC開発事業を手がけたのち、93年にプラザクリエイトに転職、「カフェ・ド・クリエ」の立ち上げに携わり、98年よりベンチャーキャピタルMVCにて「タリーズコーヒー」の事業展開を推進、2000年3月、21LADY株式会社を設立。

ウィキペディアより抜粋

 

低迷する21LADY

「洋菓子のヒロタ」再建の実績で華々しく上場した21LADYですが、その後の業績は長らく低迷します。英国風パブ「HUB」(東証1部 3030)への投資・売却等、一時的な盛上げはあるものの、主力の「洋菓子のヒロタ」は長期低迷。50店舗あった業容を縮小して縮小均衡を狙い、今では16店舗でかろうじて黒字を保っていますが、会社全体としては2007年3月期から2016年3月期まで10期経常赤字を継続していました。

近年は債務超過回避のため第三者割当増資を繰り返しますが、それでも創業社長の藤井氏の持分比率は33.4%で、筆頭株主の位置を維持していました。

 

株主の反乱

そんな筆頭株主&創業社長の藤井氏が、本人の意向に反し、2018年6月開催の定時株主総会で社長・取締役の地位を解任されてしまったのです。

『「洋菓子のヒロタ」、株主の反乱で社長が解任』

きっかけは、2位の大株主で、16.8%を保有する投資ファンドからの株主提案だった。投資ファンド側は今年4月、藤井氏を含む21LADYの取締役4人(うち1人は社外取締役で、今回新社長に就任した米道利成氏)に加え、新たに3人の社外取締役を選任すべきとの提案を行った。

営業利益が黒字化したとはいえ、経営には不安を抱いており、モニタリング機能をより強化すべきとの考えからだ。

一方、会社側は藤井社長を含む、取締役4人の再任案を提出。総会では、投資ファンド側の提案は承認されたものの、会社側の提案のうち藤井氏の再任だけは過半数の株主が反対し、否決されてしまった。

藤井氏の再任否決を受けて、21LADYは直後の取締役会で米道氏を後任社長に選んだ。米道氏は投資ファンドの代表でもあり、1年前から21LADYの社外取締役を務めていた。この結果、米道新社長を含む6人の新経営陣のうち、4人が投資ファンド側人物となった。

東洋経済on line 2018年6月29日配信 より抜粋

 

臨時報告書

臨時報告書」ってご存知ですか?

「臨時報告書」は、金融商品取引法で規定されている会社の重要事項が決定または発生した場合に作成する開示資料で、有価証券報告書と並んで情報の宝庫です。

 

上場企業では「株主総会決議事項」の賛否割合も開示対象になっています。21LADYの「臨時報告書」を見てみましょう。

「会社提案」「株主提案」がぶつかりあっていますが、藤井道子氏の半分に満たない16.8%の第2位株主側からの提案に、他の株主が同調して筆頭株主33.4%の藤井道子氏側の主張を退けているのが良く分かります。

33.4%保有の筆頭株主の意見をひっくり返すのは、通常であれば不可能です。他の主要株主への根回しが上手くいったのか、それとも他の浮動株主の不満が余程溜まっていたのか、どうだったのでしょうか?

 

「洋菓子のヒロタ」の復活はどうなる?

藤井道子氏は女性実業家としても有名で、今回社長再任が否決された21LADYの筆頭株主の他、日本郵政(東証1部 6178)、NECネッツエスアイ(東証1部 1973)の社外取締役にも就任しています。自分の事業の足元がグラついて社長再任が否決される一方で、他社の社外取締役に再任されるのは、何とも皮肉な話です。

 

創業社長&筆頭株主の藤井氏を、株主提案という「お家騒動」で社長の地位から引きずりおろした21LADYですが、2019年3月期の第一四半期の業績実績は前期比売上減、赤字幅拡大と芳しくありません。さらに、2018年9月14日公表の「業績予想の修正に関するお知らせ 」によれば、「洋菓子のヒロタ」において計画外の直営店の1店舗退店及び西日本の天候不順等による売上の減少、 「イルムス事業」においても既存店での主力ブランド不振によって年間予想を下方修正し、赤字と債務超過への転落を見込んでいます。新体制での「洋菓子のヒロタ」の復活を望みたいです。

 

セカンド・オピニオン㈱代表取締役
企業再生人® 小澤隆
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