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カテゴリ:企業再生

日本の企業の99%は中小企業  (2018)

当ブログの2017年8月の記事『日本の企業の99%は中小企業』に、「中小企業」「99%」という検索ワードで辿り着いた方が多いようです。

2017年8月の記事の内容を纏めると
選挙等で良く使われる『日本の企業の99%は中小企業』というセリフは、単に企業数(個人事業+法人)だけの話で従業員数の実態と合っていない。『99%を占める中小企業の味方 = 絶対的多数(庶民)の味方』のような悪意ある誘導で・・・」という記事です。

 

またこの件で質問をされる方と話していると、話が今ひとつ噛み合っていない時があります。どうやら中小企業の定義のイメージが人それぞれ違うためです。この記事では中小企業・大企業の区分に関し中小企業基本法定義を使っています。この定義が、特に中堅規模の会社(300人~999人の会社は大企業?)が一般的イメージと乖離しています。


( 中小企業庁HP「中小企業者の定義」より抜粋)

 

記事中に引用した資料も中小企業白書2014年版だったので、2018年9月に公表された国税庁の資料で数字をアップデートしました。

 

会社規模別の従業員数(2017年12月現在)

会社(事業所)の規模別の従業員数(給与所得者数)一覧です。

 

 

大企業の明確な定義は無いのですが、中小企業以外は大企業」という中小企業基本法定義には違和感があります。私のイメージでは、会社規模をイメージするには資本金・売上による区分よりも従業員数に比重が高く

大企業:  従業員数 1,000人超
中堅企業: 従業員数 100~999人
中小企業: 従業員数 100人以下(10人未満は小規模企業)

のように勝手にイメージしています(中小企業基本法の定義とは異なります。念のため)。この区分イメージは人それぞれですので、この表データからご自由に組み替えて下さい。

 

ちなみに国内従業員数が1,000人を超えている上場企業は、検索してみても約3,500社中830社前後でした(2018年11月現在 弊社調べ)。業種によっては従業員が100名未満でも売上が大きく中小企業とは言えない会社も沢山あります。

 

いずれにせよ、「日本の企業の99%は中小企業」は企業数全体約330万者、うち会社(法人)数127万社、のどちらでも企業数・会社数に関しては間違っていません。ですが所属する従業員数でみると、99%が中小企業に属しているとは大間違いで、55%という半数以上が100人以上規模の会社に属しているのです。

 

セカンド・オピニオン㈱代表取締役
企業再生人® 小澤隆
企業再生をテーマに情報発信 「企業再生人®ブログ

 

 

 

(参考)2017年8月記事「日本の企業の99%は中小企業」の再掲

 

選挙の際、街頭演説者による「日本全国の380万企業のうち、99%は中小企業です。私達△△党は99%の中小企業の皆さん、庶民の皆さんのためになる・・・・(以下略) 」という表現をよく耳にしました。一部の強者ではなく、大多数の弱者の味方です!という主張です。選挙に限りませんが、「日本の企業の99%は中小企業」という話を聞いたことはりませんか?

 

電車の中や周囲を見回してみましょう。視界に入る方々のうち、99%の人が中小企業に所属しているのでしょうか?なんだか大きく違和感を感じませんか? そう、そこには意図的な誤解への誘導が含まれているのです。

 

① 日本の企業の99%は中小企業
② 自分達は99%の中小企業の味方
③ だから、自分達は(99%に該当する)庶民の味方

という誤解への典型的誘導です。

 

① 日本の企業の99%は中小企業

 

これは本当です。2012年の日本の企業数(会社+個人事業者)の総数は386万3千者です。このうち中小企業(中規模企業+小規模事業者)は385万3千者で、全体の99.7%を占めます。更に小規模事業者のうち、従業員5人以下の小企業者(一般に零細企業と言われています。)が全体の80.7%になります。ちなみに日本にある会社(法人)数は168万8千社です。

 

 

余談ですが、大企業(従業員300人超)に区分される個人事業者が277者もあるのにビックリしました。会社(法人形態)にしないのは、何故なのでしょうね?一方で、個人事業者のうち、小規模な個人事業者が94%も占めているのも、周囲を見回すと納得できます。

 

② 自分達は99%の中小企業の味方

 

味方になるとは、「税制」や「補助金」等、中小企業向けの具体的施策を意味しています。大企業とは別枠に、中小企業向けの優遇税制・補助金を用意しますよ、という意味です。ところが、税制での中小企業の定義は「資本金1億円以下」という区分けになっていて、①の中小企業の区分けとは一致しません。演説者の話の内容から定義を推測すると、中小企業法で定義する「中小企業」の中の、中規模企業を除いた小規模事業者が近い概念だと思います。また補助金は、特定の政策目標を達成する予算に起因していて、支給対象を会社の規模の大小で区分けしているものはあまり存在しません。

 

演説者の強調したい中小企業 ➡ 企業の86%を占める小規模事業者(従業員20人以下の企業)
中小企業者の定義中小企業庁HPへリンク)

 

③だから、自分達は99%に該当する庶民の味方

 

最大の問題はココです。演説者が語り掛けているのは、有権者です。企業に所属しているヒト(=従業員)であって、中小企業という企業体(会社・個人事業)にではありません。では、企業数と従業員数はどんな相関関係にあるか見てみましょう。

 

 

演説者が声高に強調したい中小企業(小規模事業者)は、企業に働く人のうち25.8%しか占めていないのです。この数字が示しているのは、

「一部の強者ではなく、99%という大多数の庶民の味方です!」
ではなく、
「25%の弱者(?)救済を目指して、優遇措置を取ります!」

になります。随分違いますよね。大企業(従業員300人超、子会社等は含まない)で働く人は全体の30%に達していて、この割合を一部というのも無理があります。「日本の企業の企業のうち99%は中小企業」なのですが、働く人の割合は、実は70%程度になり、その中でも小規模事業者の割合は25%程度と少数派なのです。

 

【 図表は中小企業白書2014年版から抜粋しています。】

 

セカンド・オピニオン㈱代表取締役
企業再生人® 小澤隆
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