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カテゴリ:企業再生

日本旅館の再生物語

出張中フライトで、機内サービスの映画「おもてなし」を観ました。日本・台湾合作映画で「老舗旅館の再生を目指す人たちの“おもてなし”の旅」との説明です。紙魚さんのコラムではないので映画評は書きませんが、主演の田中麗奈の中国語(台湾語)の流暢さにとても驚きました。

ほぼ同時期に、老舗旅館「陣屋」再生の記事(正確には宣伝記事)も目にしました。陣屋とは神奈川県秦野市の鶴巻温泉にある旅館「元湯 陣屋」のことで、将棋や囲碁のタイトル戦が300回以上も行われていることでも有名です。

 

陣屋の再生物語

陣屋の再生物語はメディアで度々登場します。
ITの力で老舗旅館が再生!
借金10億円の旅館を甦らせた素人女将の奮闘
陣屋の旅館改革・働き方が凄かった!週休3日でも利益UP、給与25%UP!?

素人女将がIT活用により旅館の業績を再生し、また働き方改革で週休3日も達成している」という再生物語です。

破綻危機からの経営再建

陣屋は2000年代に入って深刻な経営不振に陥り、10億円の負債を抱え、土地建物を売って負債を清算・廃業する見通しもつかない苦境にあった。バブル崩壊後、売り上げの柱であった企業の団体利用が激減した。鶴巻温泉そのものが衰退して「小田急沿線の普通の街」に変わりつつあり、最盛期は20軒あった宿泊施設が、2018年現在は陣屋、ビジネスホテルなど数軒に激減していることもある。高級旅館であった陣屋は、現社長・4代目女将夫妻が2009年に経営を引き継いだ時には、僅か20室の客室を「1泊2食つき9,800円から」で提供する「安宿」に成り下がっていた。

背水の陣で陣屋を継いだ現社長・4代目女将夫妻は、思い切った設備投資(スクラップアンドビルド)・旧態依然としていた旅館業務の効率化とIT技術の導入・ブライダル事業への進出などにより経営再建を果たし、マスコミ、特にビジネス関係のメディアで何度も紹介されている。

経営再建にあたっては、従業員全員がIPadで情報を共有し、陣屋を2回以上利用した顧客全てに「常連さん」としてきめ細かいサービスを提供できる、わずか10万円の初期投資で作り上げた顧客管理システム「陣屋コネクト」が大きな力となった。2012年に設立したシステム子会社「陣屋コネクト」を通じ、現社長がキャンピングカーで全国の旅館を回って顧客管理システムを外販している。

一般的な旅館・ホテルが通年無休で営業を行うのに対し、経営効率化の観点から休業日を設けているのも特徴で、2014年2月からは毎週火・水曜日を定休日とし、2016年1月からは月曜日も定休日に加えた(厳密には日曜からの泊り客がいるため、月曜日は半日営業の「週4.5日営業」)。さらに年齢構成を考慮して新卒採用に力を入れており、定休日明けの木曜午前を社員研修に充てている。

ウィキペディア「元湯・陣屋」より抜粋)

 

メディアで良く見掛けるのは、旅館再生に効力を発した自社開発の顧客管理システムを他の旅館に販売しているため、その宣伝を兼ねているからです。さすが商魂逞しい!

 

企業再生人の旅館再生物語

私自身も、セカンド・オピニオン社設立の前に北関東にある日本旅館の再生に挑戦した経験があります。施設運営に長けた運営会社と協働で、買い取った日本旅館をリニューアルし、新たなスタイルで運営するという再生案件でした。

当時は、旅館再生で有名な星野リゾートが全国的に次々に旅館再生に成功していく時期で、日本旅館の事業価値と再生に私も大きく魅了されていました。

 

その挑戦の結果は、実にほろ苦いものでした。料理長を始めとする個性豊かなスタッフ達の現場管理に苦労しただけでなく、「旅館再生は旅館運営単体だけでなく、地域再生も含めて考えないと物事が前なかなか前進しない」という事実を実体験で学び、私では能力不足だと痛感したのです。このため、再生案件として大きな損失計上に陥らないうちに、当初の予定より大幅に期間短縮して早期売却・撤退を図る方針に切替えました。

 

この時に学んだ経験は、「単に数字を計画立案しても、それを実行できる能力が無ければ無意味。特に働くスタッフとの意思疎通に『机上の空論』は通じない」という、ごく当たり前の事実です。

 

日本旅館再生の記事等をメディアで見掛ける度に、当時の苦悩を思い出します。

 

セカンド・オピニオン㈱代表取締役
企業再生人® 小澤隆
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【玉利ようこ】
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