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カテゴリ:企業再生

上場廃止基準サマリー

昨年末に、業績不振により上場廃止となった「イーター電機工業(株)」が破産になりました。

イーター電機工業(株)2018年12月27日付で東京地裁へ自己破産を申請し、同日破産手続き開始決定を受けた。

当社は、1979年(昭和54年)12月に設立。OA機器、FA機器、自販機、通信機器、医療機器などに利用される直流電力と交流電力の変換装置であるスイッチング電源の設計、製造、販売を展開し、96年10月に店頭市場(現・JASDAQ)に株式を公開。マレーシアなど海外にも連結子会社を有してグループを形成し、2007年3月期には連結年売上高約89億1000万円をあげていた。

しかし、製品単価の下落や円高による為替差損の発生で収益悪化が続き、2008年3月期(連結)以降の決算はすべて最終赤字となり、その後も業況は好転せず、2015年3月期の連結年売上高は約33億4100万円にダウン、約3億9100万円の最終赤字となったことで債務超過に転落。上場廃止に係る猶予期間に入ったものの、2016年3月期においても債務超過から脱せず、同年7月25日に上場廃止となった

以後も事業を継続してきたが、上場廃止の影響もあり2018年3月期の連結年売上高は約27億6700万円にダウン。12月25日の決済が不調となり同日、事業を停止していた。

帝国データバンク 倒産・動向速報記事(2018年12月28日配信)より抜粋・引用

 

上場廃止というと、業績不振になって倒産・倒産間近になったイメージが強いと思います。意外に思われるかもしれませんが、業績不振で上場廃止になった企業は圧倒的少数派なのです。例えば、2018年に上場廃止を公表した企業は54社ありますが、倒産による上場廃止は「日本海洋掘削(東証1部1606 会社更生法)」1社のみ、粉飾決算等の上場廃止基準抵触による強制退場が2社と、ネガティブイメージの上場廃止企業は3社のみなのです。残りの51社はTOB、MBOや経営統合等といった、企業が意図的に自ら上場廃止を選択しています。

 

上場廃止基準

ここで上場廃止基準を見てみましょう。

日本取引所グループかオープンにしている上場廃止基準のうち、業績や数値に関する項目を抜粋しました。この他にも、株主数・流通株主数・売買高に関する項目や上場契約違反等、業績以外に関する項目もあります。マザース市場にのみ存在する売上高基準は面白いですね。

単年度の赤字で上場廃止になることはありませんが、赤字累積の結果「債務超過」になった際は上場廃止になります。この「債務超過」を回避するため、業績回復による施策が期待できない場合に不公正ファイナンスが横行しやすいのです。

 

債務超過のシグナル

こうして上場廃止基準を見ていると、上場・非上場に関係なく、「債務超過」転落が会社として大きな危険シグナルなのがハッキリしています。業績不振の非上場企業の場合は、たとえ債務超過ではなくてもバランスシートの資産部分が棄損していて「実質債務超過」であることが多いので、数字を眺める場合は注意して下さい。

私見ですが、上場廃止=倒産には直結しないので、上場廃止を回避するために無謀な努力をするくらいなら、民事再生法等の法的再建スキームを早めに検討して早期復活を目指す方が、株主等の利害関係者に悪影響を与えないで済むと考えています。

2019年1月17日に民事再生法を適用申請したラスク販売のシベール(東証JQ 2228: 2019年2月18日上場廃止予定)も、スポンサー候補のオールハーツ・カンパニー(愛知県名古屋市)の支援のもと早期復活して欲しいです。

 

セカンド・オピニオン㈱代表取締役
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