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カテゴリ:企業再生

名ばかり事業主

働く場所も勤務時間も仕事の段取りも会社に決められている「労働者」なのに、契約上は委任契約や請負契約に基づく「個人事業主」・・・そういう「名ばかり事業主」という言葉をちらほら見掛けるようになりました。

ヤマハ英語教室の女性講師が労組結成 待遇改善求める

楽器販売「ヤマハミュージックジャパン」(東京都)が運営する英語教室で働く講師の女性14人が労働組合をつくった。女性たちは契約上は個人事業者とされて社会保険などが適用されないが、「実態はヤマハ側の指示で働く労働者だ」として、直接雇用や社会保険の適用などの待遇改善を求める団体交渉を同社側に申し入れているという。

朝日新聞デジタル 2019.01.20配信 より抜粋・引用

 

働き方改革や副業容認によって、個人事業主・フリーランサーのような働き方が注目を浴びています。一方で、発注者との力関係で不利益な契約を結びがちです。美容師、出来高制の訪問販売、IT派遣技術者、塾講師、宅配便ドライバーetc。個人事業主として働く場合と、労働者として働く場合は何が違うのでしょう?

 

雇用契約と委任契約・請負契約の違い

雇用契約も請負も委任も、他人の労務を利用するという点では共通しています。しかし、雇用契約は、他人(使用者)の指揮・命令に従って仕事をするところに特徴があり、一方請負や委任は、(注文者や委任者の)指揮・命令を受けることなく自らの判断で仕事をするというところに特徴があります。

請負と委任の違いは、請負は仕事が完成して初めて報酬を受け取ることができますが、委任は結果を出さなくても報酬を受け取ることができるという点にあります。

 

【Point】
1.雇用契約は、一方が指揮・命令に従って仕事をすることを約束し、相手がその労務について報酬(賃金)を支払うことを約束することによって成立する契約です。労働基準法では、労働契約といっています。

2.請負は、大工が家を建てる場合や、クリーニング店が洗濯をする場合など、請負人が注文者の指揮・命令を受けることなく自らの判断で仕事をする契約をいいます。結果を出さなければ報酬をもらうことができず、仕事を完成させて初めて報酬を請求することができます

3.委任は、弁護士に依頼する場合や、医者の診療の場合などの契約をいいます。委任では、依頼された事務を処理することが目的であり、必ずしも結果を出すことは求められていません。したがって、結果を出さなくても報酬を受けることができます

 

山形労働局 労働相談Q&A 「雇用、請負、委任の違いについて」より抜粋・引用

 

雇用契約であり、労働基準法上の「労働者」にあたるのであれば、会社側は労働者に対する保護を与えることが求められます。

1雇用条件の不利益変更の禁止
2解雇権濫用法理の適用
3有給休暇の付与
4残業代規制
5社会保険、労働保険(雇用保険、労働災害保険)への加入義務

 

これら「労働者」としての保護規制によるメリットと、雇用主からの指揮命令下で働くデメリットを天秤にかけて選択した働き方が、委任契約・請負契約に基づく個人事業主です。

最近ではFC契約下のコンビニエンスストア・オーナーの働き方が注目を浴びました。

 

個人事業主・フリーランサーとして仕事を受ける場合、最低でも請負契約なのか委任契約なのかを気を付けて欲しいです。また受注単価も、会社員時代と同じ単価であれば、「労働者」としての保護規制によるメリットを失っているので実質的に減額されているという自覚を持って下さい。そのうえで、その仕事を受けるかどうかの判断をしなくてはイケナイのです。

 

いったん「個人事業主」扱いで契約した後に「労働組合やユニオンに入って会社と待遇改善などについて話し合う」行為は、とても違和感があります。契約解除の自由もあるのです。会社側が「名ばかり事業主」として悪用している場合は別ですが、個人事業主・フリーランサーとして経営者である以上、仕事の契約は自分自身で判断できるようになって欲しいです。

 

セカンド・オピニオン㈱代表取締役
企業再生人® 小澤隆
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