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カテゴリ:企業再生

クラウドファンディングによる寄付募集と税金

今回はクラウドファンディングによる寄付募集のお話です。

 

「ひこにゃん」をクラウドファンディングで救え!

ひこにゃん支援に640万円 市の予算案否決で寄付集まる

滋賀県彦根市の人気キャラクター「ひこにゃん」を運営する日本ご当地キャラクター協会(事務局・彦根市)は、「ひこにゃん」の活動支援として協力を求めたクラウドファンディングと寄付金などが、3日の締め切りまでに計641万6699円に達したと発表した。

(略)

同協会によると、内訳はクラウドファンディングが549万4500円、寄付と募金が92万2199円。クラウドファンディングには県内のみならず、全国45都道府県から支援金が寄せられたという。クラウドファンディングで集まった支援金のうち、手数料2割を差し引いた439万5600円が、「ひこにゃん」の活動経費として充てられることになる。

毎日新聞2019年6月5日配信より抜粋・引用

 

彦根市長と彦根市議会の争いにより、2019年度一般会計当初予算案が彦根市議会で否決され、「ひこにゃん」の運営費予算が一時的に凍結されてしまいます。このため、「日本ご当地キャラクター協会(事務局・彦根市)」は、市議会で予算案が可決されるまでの間、「ひこにゃん」の活動資金を募るクラウドファンディングと募金を4月から始めていました。

 

FAAVO「ひこにゃんを暫定予算期間中もいつも通りに活動させてあげたい!」より

 

集まった寄付金合計641万円のうち、旧来型寄付・募金92万円(14%)に対し、クラウドファンディングが549万円(86%)と圧倒的です。クラウドファンディング・プラットフォーム大手のFAAVOに手数料20%を控除されても、手元に残る現金は旧来型の4倍以上!クラウドファンディングの資金調達パワーを見せつける成果です。

 

クラウドファンディングとは

クラウドファンディング(英語: Crowdfunding)とは、不特定多数の人が通常インターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを指す、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語である。

クラウドファンディングは資金提供者に対するリターン(見返り)の形態によって下記の3類型に大別される。
・金銭的リターンのない「寄付型
・金銭リターンが伴う「投資型
・プロジェクトが提供する何らかの権利や物品を購入することで支援を行う「購入型

ウィキペディア「クラウドファンディングより

 

一般的によく見かけるクラウドファンディングは、「寄付型」「購入型」です。「購入型」といっても、お礼状をもらったり、絵葉書・ポスターを購入したりと事実上「寄付型」の変形で応援しているものです。

また今回のFAAVOのようにプラットフォーム運営会社を通して寄付・購入を募集するのが一般的ですが、これらのプラットフォームが必須な訳ではありません。自分のHPやSNS・ブログを通して寄付・購入を募集しても立派なクラウドファンディングです。

 

ただ、プラットフォーム運営会社を通した方が、より多くの方に募集意図が拡散出来るのと、簡単ですが審査があるので寄付する側には安心感を与えることが出来ます。お金を出す方は、寄付したお金を目的通りに使って貰えない等の詐欺的なクラウドファンディングには引っ掛かりたくありませんから。一方で寄付・購入を募集する側は手数料が控除されるので集めたお金の手取りが減額されます。この辺りをどのように捉えるかは、クラウドファンディングの利用者の考え方次第です。

 

クラウドファンディング「寄付型」「購入型」「投資型」の金額割合

「投資型」は資金運用を目的としていて、
・融資型(ソーシャルレンディング)
・ファンド投資型
・株式投資型
と分類されますが、その多くが融資型(ソーシャルレンディング)です。

クラウドファンディングの件数自体は「寄付型」「購入型」が多いのですが、金額ベースでみると「投資型」が大きいのです。

 

CROWDFUNDING INDUSTRYのレポート(Crowdfunding Industry Statistics 2015 2016)によると、2015年のグローバルにおけるクラウドファンディングの市場規模を344億ドル(約3兆7000億円)、そのうち寄付型・購入型が55億ドル(16%)投資型が275億ドル(80%)、その他15億ドル(4%)と予測しています。

Crowdfunding Industry Statistics 2015 2016より抜粋・引用

 

日本ではさらに投資型の比率が高い(日本のクラウドファンディング市場規模363億円、うち投資型89% 2015年矢野経済研究所調べ)と言われます。

 

低金利時代を反映して、高利回りを謳う投資型クラウドファンディングは多く見受けられますが、投資なので運用の結果、元本割れになってしまうケースもあります。また、得体のしれない運営会社によって、ポンジースキームのような詐欺投資が紛れ込んでいてもおかしくありません。

 

金融庁HP ソーシャルレンディングへの投資にあたってご注意ください

<ポイント>
ソーシャルレンディングの仲介者は第二種金融商品取引業の登録を受ける必要があります。登録を受けていない業者の募集等は、詐欺的な商法である可能性が高いため、一切関わらないようにしてください。

登録業者であっても、金融庁や財務局が、その業者の信用力等を保証するものではありません。業者の情報をできる限り確認し、その業者の信用力を慎重に見極めるとともに、取引内容を十分に理解したうえで、投資を行うかどうかの判断をすることが重要です。

ソーシャルレンディングへの投資にあたっては、投資者への情報開示が十分に図られているかどうか、また、高い利回りである場合、商品によっては、貸付先の返済遅延やデフォルトなどのリスクが高いことを十分に認識した上で、適切な投資判断をお願いします。

高い利回りなど限られた情報のみで投資判断を行うことなく、業者が提供する様々な情報を確認してください。利回りだけを強調し、リスクに関する情報が明示されていない業者との取引は注意が必要です。

 

 

クラウドファンディングの税金とは?

クラウドファンディングに関する税金を説明している本やネット記事は沢山ありますが、分かりづらいのではないでしょうか?

それは当たり前の話で、クラウドファンディングに関する統一的税務というものは存在せず、ケースに合わせて既存の税法が適用されるからです。何か税務上優遇されていたり、特殊な要件が必要とされている訳ではありません。クラウドファンディングは、ネットを利用して不特定多数から少額を集めるという資金調達方法に特色がありますが、既存の資金調達方法と比較して技法自体は目新しいモノでは無いのです。

 

「寄付型」「購入型」クラウドファンディングの税金

お金を出す側が個人の場合
お金を出す個人側に何も税金は発生しません。個人事業主・法人の場合は、通常の「寄付行為」と同じ税務処理で、損金認定が制限されます。

資金を集める側が事業を営まない個人の場合
集めた「寄付」総額が110万円を超えると贈与税の対象(贈与税の基礎控除)になります。「購入」型の場合はプロジェクト利益相当が一時所得となり、50万円を超える部分に個人所得税が生じます(一時所得の特別控除枠)。

資金を集める側が事業を営む個人事業主又は法人の場合
「寄付型」「購入型」のいずれも収益(売上)になり、個人所得税又は法人税が課税されます。

 

余談ですが「贈与税」とは悩ましい表現で、贈与する側ではなく、贈与を受ける個人に生じる税金です。本来なら「受贈益税」「受贈税」と呼ぶべきで、そうすれば無用な混乱は無くなるのになぁと思います。

 

「投資型」は運用先での運用対象・スキームによって税金が異なってきます。投資型クラウドファンディングの大多数を占めるソーシャルレンディングでは、匿名組合方式の課税パススルーを使うスキームが多く、この場合は匿名組合員への分配金額(運用益)に組合員側で雑所得(又は法人税)として課税されます。なお源泉税が徴収されますが・・・・と、この辺りは専門的な話になるので、これ以上は割愛します。

 

クラウドファンディングが社会的に広く認知されるようになり、目標金額・新調達金額も多額になるケースが多くなってきました。クラウドファンディングで大きな金額を集める場合は、それなりのお金のパワーを浴びます。資金使途や納税など、応援者の想いを無駄にしないように心掛けるようにしましょう。

 

 

セカンド・オピニオン㈱代表取締役
企業再生人® 小澤隆
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