企業再生人®ブログ

 
セカンド・オピニオン所属の企業再生人®が、企業再生をテーマに発信していきます
カテゴリ:企業再生

大株主と主要株主

経済ドラマや小説で「大株主(おおかぶぬし)」という株主がよく登場します。創業家や会社オーナーのような富豪で、会社に絶大な影響力を持つ株主…といったイメージでしょうか?

 

大株主とは?

大株主というのは法律用語ではなく、何%以上保有といった明確な定義はありません。

上場企業が開示する「有価証券報告書」では、「大株主の状況」として上位10位までの株主の記載を求めている(企業内容等の開示に関する内閣府令第三号様式/施行規則第122条第1項第1号)ので、上位10位程度くらいの持ち株比率が高い法人や個人の株主を「大株主」と言うことが多いです。なお、大株主の中で最も所有株数が多い最上位株主を「筆頭株主」と言います。

上場企業のように株主割合が広く分布している場合、保有割合が数%程度でも上位10位以内株主になって「大株主の状況」に記載されている個人株主は良く見かけます。ただ数%では会社への影響力は大きくなく、一般的イメージの「大株主」とは大きく乖離していますね。

 

法律で規定のある株主の区分

完全親会社(会社法施行規則第218条の3)
議決権の100%を保有している会社(法人)を言います。個人株主の場合は完全株主とは言いません。個人株主で100%保有だと「ビジネスオーナー」と呼ばれるでしょうか。

特別支配株主(会社法179条1項)
議決権を90%以上保有する株主を言います。残りの10%未満の少数株主を金銭によりスクイーズアウトすることが可能です(特別支配株主の株式等売渡請求)。

支配株主(上場規定)&親会社(会社法2条4号/商法201条の2)
議決権の50%超(過半数)を保有している会社(法人)を言います。株主総会で大概の意見が通るので、実質的に支配している状態です。
なお、会社法(2条4号)の定義する「親会社」はもう少し概念が広く、議決権だけでなく「経営の支配」という観点が考慮されます。

主要株主(金融商品取引法第163条1項)
議決権の10%以上を保有している会社(法人)・個人を言います。
2019年5月15日付けBlog『「短期売買利益の提供制度」と地域新聞社株式売却益』でも書きましたが、上場企業の主要株主になると、「売買報告書」の提出・カラ売りの禁止・短期売買利益の返還といった規制対象になります。

 

税法の中では同族株主同族関係者グループで議決権を合わせて30%以上保有している株主)といった概念も使われます。一般的に大株主の反義語で少数株主という概念も使われますが、法律上で明確な定義はありません。1%、3%の議決権保有の場合の少数株主権が会社法で定義されているので、1%~3%程度保有の株主を指すことが多いでしょうか。

 

部下に有害と呼ばれたリクシル会長の末路

所有株式が3%以下でも「オーナー」然とふるまえた

おそらく20年前だったら、創業家の「大物」が社長のクビをすげ替える事に誰も異論を挟まなかったに違いない。仮に創業家出身の会長が大株主でなくても、である。実際、潮田氏は創業家出身と言っても、個人で所有する株式は発行済み株式数の0.15%、信託財産で議決権行使の「指図権を留保している」とされる株式を加えても3%に満たない。それでも「オーナー」然としてふるまえるのが、かつての日本企業だった。

(略)

 

「会社側提案」が無条件に通る時代は終わった

2014年以降、導入されたスチュワードシップ・コードによって、生命保険会社や年金基金などの機関投資家は、加入者の利益を第一に議決権行使を行うことが求められるようになった。この結果、会社側提案に無条件で賛成できなくなったのだ。

 

部下に有害と呼ばれたリクシル会長の末路
President online 2019年5月10日付け配信より抜粋・引用

 

トステム、INAX、新日軽、東洋エクステリアを統合して誕生した、建築材料・住宅設備機器業界最大手の株式会社LIXILグループ(東証1部5938)では、会長兼CEOで創業家出身の潮田洋一郎氏と、潮田氏に事実上解任された前CEOの瀬戸欣哉氏が、経営権を巡ってお家騒動の真っ最中です。

驚いたのは、創業家出身の潮田洋一郎氏の議決権保有割合は3%にも満たないのに、絶対権力者としてLIXILグループの絶対権力者をして振舞えていたことです。時価総額の大きい上場企業では、創業家といえどもそれ程大きくない保有割合例が多いのは事実ですが、この保有割合であそこまで権力者として君臨していたのか!と、とても新鮮でした。

 

時価総額の大きくない小型の上場企業では、個人株主でも主要株主になることは多くあります。時々芸能人の名前を見つけることもあります。ご興味のある方は、四季報の株主名簿を眺めてみて下さい。

 

セカンド・オピニオン㈱代表取締役
企業再生人® 小澤隆
企業再生をテーマに情報発信 「企業再生人®ブログ

 

【玉利ようこ】
企業再生テーマのビジネスコミック 「企業再生人®ブログ

 

コメントは受け付けていません。