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カテゴリ:企業再生

個人事業主(フリーランサー)と下請法

最近はTV等で「吉本問題」が取り上げられています。「闇営業」問題を発端にあちらこちらに飛び火して、喧々諤々の論戦も拡がっています。

 

個人的にはこの問題には全く興味が無く、「鬼の首を取ったかのような正義論は何なんだろう?一つの民間企業のコンプライアンス問題で、論点は吉本興業の内部問題に移っていて、当事者間で決めればイイだけ。当事者でも無い人が、何でそこまで熱中するんだ!?この問題も含めてエンターテイメントなのかな?」と思っています。

 

おかしいと思うことを批判するのは当然です。ただ、自分の価値観・正義感だけで『自分は正しい』が先行し過ぎると、「日頃の鬱憤晴らしのために自分とは無関係な問題で生じている『魔女狩り』に没頭している」姿と大差なくなってしまうと思います。それは正義感でカッコイイのではなく、恥ずかしい姿だと私は思います。

 

私がこの吉本問題で興味を持ったのは

「吉本興業の仕事を受ける芸人は個人事業主という扱いで、「吉本興業所属」という言い方がされるにもかかわらず、雇用契約は存在しない

という事実関係でした。

 

契約解除

芸能事務所と芸人の関係は雇用契約ではなく個人事業主との請負・委任契約なので、ギャラ(報酬)を始め全てが当事者間で決まります。そうなら「芸人側が不当に安いギャラ(報酬)」という設定も理解出来ます。個人事業主側に圧倒的不利な「下請けイジメ」なのか、売れた場合には高額報酬が約束される成功報酬的性格なのかは、よく分かりません。

 

個人事業主という立場であれば、発注元の「吉本興業」との契約は、対等であって双方から「契約解除」が可能です。

不当だと思うのなら個人事業主側から「契約解除」にすれば良いのですが、「契約解除」に到らないのは、個人事業主側にそれなりの理由(メリット)があるからです。吉本「愛」はともかく、このような契約問題は「どちらかが一方的に悪い」にはならないのではないでしょうか?

 

芸人に限らずですが、フリーランサー(個人事業主)が特定の発注元に依存していると、発注元からの「優越的地位の濫用(独占禁止法)」を受けやすいので、従業員とは違う選択肢を取ったなら自己防衛はキチンと考えておく必要があります。

 

下請代金支払遅延等防止法

ちなみに、フリーランサー(個人事業主)は、雇用関係で守られている従業員と違い、発注元(親事業者)との力関係から「下請けイジメ」に合いやすいので「下請法(下請代金支払遅延等防止法)」が制定されています。

書面の交付義務(3条 発注内容の書面化は義務です)や下請代金の支払期日を定める義務(2条の2 納品後60日以内に支払う義務があります)、受領拒否の禁止(4条1項1号 身勝手に納品拒否できません)、報復措置の禁止(4条1項7号 中小企業庁に告げ口して報復を受けたら更に罰則を求めることが可能です)等々、フリーランサー(個人事業主)にとっては必須の知識です。

 

下請法では『口約束』での発注は違法なのですが、吉本興業は資本金1000万円の会社なので下請法の適用外になっています(下請法は資本金が1000万円を超える会社でないと適用されません。親会社の吉本興業ホールディングスは資本金1億円)。さすが吉本興業!所属芸人が6,000人以上の規模なのに、見事です! 個人事業主として仕事をするなら、発注元の資本金にも目を配った方が良さそうです。蛇足ですが、弊社は資本金が1000万円を超えているので下請法の適用対象です。

 

下請代金支払遅延等防止法(中小企業庁HP)

 

あれ? 今回はOECDが公表している『Employment Protection Legislation Indicator』で国別の従業員正規雇用の保護・解雇の困難度合いの比較がテーマ予定だったんですが、下請法の概略説明になってしまいました。導入部分の「吉本問題」に引っ張られてしまいました。反省です。

 

 

セカンド・オピニオン㈱代表取締役
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