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カテゴリ:企業再生

リースとレンタルの違い

「リース」と「レンタル」の違いってご存知ですか?

 

リースとレンタルの会計処理の違い

上場企業におけるリース取引会計処理は、2008年からファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引に区分する方法で行われてきましたが、2019年1月1日以後に開始する事業年度からは、いよいよ国際財務報告基準IFRS16号による新リース基準が強制適用になります。

概略すると、借り手側はファイナンス・リースとオペレーティング・リースという区別はなく、原則として全てのリース形態取引がオンバランス処理になり、貸し手側は従来からの貸し手側はファイナンス・リースとオペレーティング・リースの区分での会計処理を継続することになります。

 

この辺りの説明は上場企業向けのマニアックな会計処理説明(笑)になるので、興味のある方は少ないでしょうから、ここで割愛します。

 

リースとレンタルの経済実態の違い

日常会話で何気なく使っている「リース」と「レンタル」はどのように使い分けているでしょう?イメージ的には

・DVDやレンタカーなど、数時間~数日間借りるのが「レンタル」
・1年超等の長い期間若しくはカーリースの様に高額な場合が「リース」

 

ではないでしょうか? このイメージはほぼ合っていますが、実際には賃借期間の長短は関係ありません。法的説明を省略して経済実態面から説明すると、

・DVDや車などお店のモノ(在庫)を借りる行為が「レンタル」
・自分の選んだ車などのモノを、お金を借りて購入する行為が「リース」

です。モノを借りるのか、お金を借りていのか、の違いなのです。日常会話の中では、「リース」=「お金を借りている行為」の考え方が馴染んでいない方が多いな、と感じる時があります。一番身近なカーリースを思い浮かべてください。リース購入では途中解約が出来ない話(途中解約の場合は車の返却をしようがしまいが、残リース料の全額相当を支払う)や連帯保証人の話が出るのは、お金を借りて購入している行為だからです。

 

現金一括購入かカーリースのどちらが経済的にオトクなのか?を考えると分かりやすいです。車購入代金を現金一括で支払えるのなら、利息やリース会社への利益を支払う必要が無い分、カーリースと比較して現金一括払いの方が総額では絶対オトクです。一括現金払いが出来るほどの手元現金が無いけれども車を購入したい場合は、次善策としてカーリースを検討することになります(支払総額はもちろん割高になります)。

 

店舗経営の方にとってリース契約は、より身近だと思います。店舗開設には多額の資金が必要で、銀行借入ではカバー出来ずに、銀行よりは与信審査が比較的厳しくないリースによって、店舗造作費用・備品購入費用分の資金調達に充当するケースが多いからです。

上場企業のようなリース会計を導入している会社と違って、中小企業の場合はこのリースによる資金調達が借入金として処理されていません。(「中小企業の会計に関する指針」(中小会計指針)または「中小企業の会計に関する基本要領」(中小会計要領)適用の場合)。このため、銀行借入による資金調達よりも割高になる利息・手数料の金額が上乗せしている実態や残リース料(借入残高相当)が決算書には示されないので、外部の人間が会社の決算内容を把握する場合には、リース会計処理への変更した決算書を思い浮かべる必要があります。

 

民事再生法の中でのリース物件

経営再建を図る中でリース物件はとても「やっかい」な存在になります。金融機関からの借入であれば返済猶予を含む返済計画見直しの協議の余地が残りますが、リースの場合はそれが難しいのです。また該当リース物件が事業継続に必須な場合では、リース料不払いによる物件引上げ等により事業継続の致命傷を負いかねません。

過去の民事再生法スキーム案件のなかで、飲食店の店舗造作がリース物件だったのでリース債権者との別除権協定への交渉には頭を悩ませました。再生手続開始申立と同時に担保権実行中止命令を得てもそれは単なる時間稼ぎに過ぎず、事業継続に必要なリース物件は結局のところ、

 

① リース契約の再契約により、共益債権として同額リース料を支払い続ける
② 裁判所命令でリース物件の処分価額相当額の金銭を一括支払いして,リース物件に対する担保権を消滅させる(民事再生法148条)

の二択になり、ただでさえ少ない手元運転資金からの資金減少を招くからです。

 

リース債権者への対応・協議の結果によって再生計画に必要な資金規模が大きく変動してくるので、とても悩ましい交渉でした。

 

 

セカンド・オピニオン㈱代表取締役
企業再生人® 小澤隆
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