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カテゴリ:企業再生

平成の大型倒産TOP10

2019年5月1日に平成から令和に元号が変わって4カ月以上が経過しました。令和元号もすっかり慣れてきた感じです。

元号変更を機会に、帝国データバンクが2019年4月に平成の『平成の大型倒産一覧(全国)~平成の大型倒産・上位 30 社~』を公表しています。

 

平成3年(1991年)3月から始まった「バブル崩壊」と、その後の「失われた20年」に表現されるように、平成時代は金融機関を中心に大型倒産が相次いだ年代です。

ちなみに昭和最大の倒産は1985 年(昭和 60 年)8月に会社更生法を適用した三光汽船で負債額は 5,200 億円でした。戦後の大型倒産上位 30 社のうち昭和時代からランクインしたのはこの1件のみで、残りの 29件は全て平成時代に発生しています。

 

平成の大型倒産TOP10

 

1位 協栄生命保険 2000年(H12)会社更生法 負債額4兆5,297億円

太平洋戦争時に1941年に米英系企業4社の敵産管理により拡大、戦時中は高額の再保険を販売し戦時下のインフレーションにより高額契約が急増、1945年に国策として「生命保險中央會」に吸収されます。戦後は自衛隊保険(警察予備隊 死亡保険)や教職員向け保険によって拡大した、民間には馴染みの薄い保険会社でした。

バブル期に高利回りの長期運用商品を販売した結果、逆ザヤが累積し破綻します。破綻後は、プルデンシャル・ファイナンシャルグループがスポンサーとして更生計画を策定し、現在はジブラルタ生命保険が契約を引き継いで業務を行っています。

 

2位 リーマン・ブラザーズHD&証券 2008年(H20)民事再生法 負債額3兆9,473億円

2008年9月アにメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが経営破綻したことに端を発して、連鎖的に世界規模の金融危機が発生した「リーマン・ショック」、その日本法人の破綻です。本家アメリカ合衆国では負債総額約6000億ドル(約64兆円)というアメリカ合衆国の歴史上最大の企業倒産でした。

国内証券最大手の野村HDが日本法人含むアジア部門とヨーロッパ部門の投資銀行部門を買収、吸収して業務を引き継いでいます。この買収は野村HDにとって現時点では業績の足枷になっており、2019年3月期はこの買収による「のれん」償却等によって1,000億円以上の最終赤字を計上しています。

 

3位 千代田生命保険(相)  2000年(H12)更生特例法 負債額2兆9,366億円

戦前は5大生命保険会社(明治生命、帝国生命、日本生命、第一生命、千代田生命)の一角を占め、戦後も生保大手8社の一角を占めた名門生保。バブル期の積極的な不動産関連や株式投資への融資が仇となり、バブル崩壊後は不動産向け融資の不良債権化や株式担保融資の担保割れなどが発生。2000年に生命保険会社としては金融版会社更生法である「更生特例法」申立の第1号になりました。

経営破綻後は、外資系保険会社2社を経て、協栄生命保険と同様に2012年1月にジブラルタ生命保険へ吸収合併され、同社に承継されています。

 

4位 日本航空HD&インターナショナル  2010年(H22)会社更生法 負債額2兆1,994億円

現在は立派に再建したJALの経営破綻からもうすぐ10年が経過しようとしています。経営不振・債務超過を理由に、日本航空、子会社の日本航空インターナショナル、ジャルキャピタルの3社は会社更生法の手続を申請し、企業再生支援機構(現:地域経済活性化支援機構)を支援者に経営再建を目指しました。京セラの稲森和夫氏がJAL会長に就任し、スピード再建を遂げたのは有名です。

 

5位 日本リース 2000年(H12) 会社更生法 負債額2兆1,803億円

1963年設立の日本初の総合リース会社です。1980年代より日本長期信用銀行(長銀)から役員派遣を受け入れ同行出身者が社長を歴任することとなり、実質長銀系の会社となります。本業のリースよりも長銀の別働隊としてのファイナンス業に注力し、バブル景気終焉の余波を受け巨額不良債権を抱え、長銀と一緒に経営破綻した長銀破綻銘柄の一角です。

 

6位 武富士 2000年(H12) 会社更生法  負債額1兆4,949億円

「サラ金苦」が社会問題にもなった消費者金融の雄。グレーゾーン金利を否定する2006年の最高裁判決(シティズ判決)により消費者金融業界は大打撃を受け、2000年代後半には、他の大手消費者金融同様に過払い請求の増加などによる業績と資金繰りの悪化が喧伝され、2010年会社更生法の適用を申請しました。

現在は事業を引き継いだ事業を引き継いだ株式会社日本保証が不動産担保金融のみ新規営業を行っています。

 

7位 マイカル 2001年(H13) 民事再生法→会社更生法  負債額1兆3,818億円

近畿地方が地盤の総合スーパーでしたが、2001年に経営破綻し会社更生法の適用を受け、イオンの支援により再建を目指します。2003年にイオンの完全子会社となり、2005年12月31日に更生手続きの終結決定がなされ、再建が完了。以後イオングループの子会社となり2011年にイオンに吸収されました。

 

8位 クラウン・リーシング 1997年(H9)破産 負債額1兆1,874億円

日本債券信用銀行系列の非上場のノンバンク(リース会社)で、不動産担保融資事業が主体となり、バブル崩壊とともにそれらが不良債権化し1997年4月破産しました。戦後の「破産」手続となった倒産では、現時点で最大です。

 

9位 タカタ 2017年(H29)民事再生法 負債額1兆0,823億円

同社主力商品のエアバッグの欠陥リコールにより、最終的な負債が1兆円を超える見通しとなり、民事再生法の適用を申請。国内の製造業では戦後最大の経営破綻となりました。なお、タカタ本体には、欠陥リコールの原因となった硝酸アンモニウムを使ったインフレーターの製造・販売事業を残し、他の事業は米国のキー・セイフティー・システムズ(中国の寧波均勝電子の100%子会社)に譲渡されました。

 

10位 日榮ファイナンス 1996年(H8)商法整理 負債額1兆円

商法整理とは旧商法上の制度です。現在の民事再生法と似たような制度で、この手続の進化発展版の民事再生法が制定された後に廃止されました。

 

 

いかがだったでしょう?大型倒産上位は金融機関の経営破綻が圧倒的に占めています。金融機関以外では2010年の日本航空グループが4位でトップ、メーカーでは2017年のタカタが9位でトップでした。

平成の30年間は、「失われた20年+復活の10年」「失われた30年」などの形容詞が使われるように、バブル経済崩壊とその破綻処理に多くの年月を費やした時期でした。

 

令和時代は、明るい形容詞が使われるようになるように、私自身も頑張っていきたいと思います。

 

 

セカンド・オピニオン㈱代表取締役
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