企業再生人®ブログ

 
セカンド・オピニオン所属の企業再生人®が、企業再生をテーマに発信していきます
カテゴリ:企業再生

Chapter7とChapter11

バーニーズが破綻準備、店舗の大半を閉鎖か 米紙報道

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は5日、米高級衣料品店バーニーズ・ニューヨークが破綻申請を準備していると報じた。同社が身売り先を探すまでのつなぎ融資についても合意に近づいているという。ネット通販との競争や不動産賃料の高騰で経営が悪化していた。

報道によると、バーニーズは5日夜にも米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)を申請する可能性がある。同社は現在、レストランを除き22店舗を展開している。検討中の再建策では、バーニーズが大半の店を直ちに閉鎖し、残る7つの中核店舗の買い手を探す計画だという。

日本経済新聞 2019年8月6日配信より抜粋・引用)

追記:2019年8月6日に米連邦破産法11条(Capter11)の適用を申請しました。

 

米国高級衣料品店の老舗バーニーズのCapter11申請は今回で2回目です。多店舗経営が失敗し1996年に1度目のCapter11申請。その後、2007年にファーストリテイリング(ユニクロ)がバーニーズ買収に名乗りを上げましたが、ドバイの政府系投資会社イスティスマールが提示した1000億円以上という値段に競り合わず買収競争から撤退。現在のバーニーズの姿を見ると、この時の意思決定は正しかったなぁと思います。

 

なお日本で6店舗展開しているバーニーズ・ジャパンはセブンアンドアイホールディングの100%子会社で、米国バーニーズと資本関係は無く、今回の経営破綻とは無関係です。

 

チャプターイレブン(Chapter11)

米国企業の経営破綻ニュースを見ていると、よく『連邦破産法を申請準備』とか『連邦破産法11条』という言葉が出てきて混乱することがあります。

破産申請は倒産で会社消滅、民事再生法申請は倒産と言いながら会社が存続します。この日本法のイメージで見るので、『連邦破産法11条の申請』というと混乱が生じるのです。

 

米国の連邦破産法では、日本の破産法に相当する企業清算手続きは第7条で規定されていて、チャプターセブン(Chapter7)と言います。民事再生法・会社更生法に相当する再建型の企業倒産処理を規定した第11条が、今回登場してくるチャプターイレブン(Chapter11)です。

なお、細かいことを言うと、新聞を始めとするメディアが良く使う『日本の民事再生法に相当』には個人的には違和感があります。チャプターイレブン(Chapter11)では担保権者にも強制力を持つので、DIP型の会社更生法というイメージの方が近いです。

 

日本の民事再生法と米国連邦法のチャプターイレブン(Chapter11)

2000年(平成13年)以前に存在して和議法を、もっと使いやすい会社再建型の法律に変えようとして生まれたのが民事再生法です。この際、米国連邦法のチャプターイレブン(Chapter11)をベース(コピーと言った方が正しいか?)にしたため、民事再生法とチャプターイレブン(Chapter11)の手続は非常に良く似ています。また2002年に会社更生法も全面改訂されて、同じ名称ながら実態としては別物になりました。日本の民事再生法・会社更生法は米国連邦法のチャプターイレブン(Chapter11)が母体になっているのです。

 

日本の民事再生法と会社更生法の最大の差はDIP型であるかどうかと、担保権者を倒産手続に参加させるか否かの2点です。

しかし、2008年以降、会社更生法でも運用の拡張が行われ、一定の条件を満たした場合には、更生手続開始申し立て時の取締役を管財人として引き続き業務の運営に当たらせる運用(DIP型)が行われるようになりました。DIP型会社更生法と前述したのは、これを意味しています。

 

現在はADR等の別の選択肢やプレパッケージ型民事再生法・会社更生法のような柔軟な運用等が目指されていて、法律による違いは大きな意味が無くなってきたように思います。

 

セカンド・オピニオン㈱代表取締役
企業再生人® 小澤隆
企業再生をテーマに情報発信 「企業再生人®ブログ

 

【玉利ようこ】
企業再生テーマのビジネスコミック 「企業再生人®ブログ

 

コメントは受け付けていません。