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カテゴリ:企業再生

破産配当率の平均って、どのくらい?

会社(法人)が破産した場合の配当率ってどのくらいですか?と聞かれることがあります。弁護士の方ともこの話題で話すこともあるのですが、体感的には0%~5%程度で、破産案件によりケースバイケースといったところです。実際は、どれくらいが平均的な配当率なのでじょうか?

ここでいう「配当」とは、一般的な配当金(会社の株主に対する利益配当)とは違って、破産手続における配当で、破産財団(破産会社に残った財産)を換価して得られた金銭を、破産債権者にその債権の額に応じて分配する行為で「最後配当(破産法第195条)」がその代表例です。

 

破産手続の会社では、会社に残った財産(破産財団)を破産管財人が現金化して、例え僅かな金額であっても債権の優先順位に従って公平に分配されます。もちろん破産してしまうような会社なので、破産管財人の費用・未払税金や従業員の未払給与といった優先債権への支払がされると、取引先等の一般債権者への配当額は、残念ながら、殆ど期待出来ません。

 

民事再生法での弁済率調査

民事再生法での弁済率(破産法での一般債権者への配当率に相当)は、帝国データバンクが調査結果を公表しています。

2017年の1年間における民事再生法件数は230件、そのうちの再生手続き認可決定を受けた 90 社について調査がなされ、再生計画の内容が判明した企業約30社の一般再生債権の平均弁済率は15.3%でした。

民事再生法 弁済率調査

調査結果(要旨)

・2017 年に再生計画認可決定を受けた企業のうち、弁済率が判明したのは 32 社で平均弁済率は 15.3%。100%弁済を行ったケースもある一方で、弁済率 1%以下のケースも散見され、大きな差が見られた。

・2017 年に再生計画認可決定を受けた企業のうち、一般再生債権弁済完了までの期間が判明したのは 33 社で、弁済方法の最多は「一括弁済」の 13 社となった。1 年かからずに弁済を完了させたケースが 20 社(一括弁済含む)と 60%を超え、過半数となる一方で、最長となる「10 年」も全体の 15.2%となっている。

・2017 年に再生計画認可決定を受けた企業のうち、少額弁済の有無が判明したのは 32 社。7 割を超える 23 社で少額弁済を行っており、平均額は 17 万 7000円となった。

帝国データバンク「民事再生法での弁済率調査(2018.12.19配信)」より抜粋・引用

なおこの弁済率は再生計画上の弁済予定額で、実際に弁済された金額ではありません。詳細については是非、帝国データバンクの調査結果を覗きに行ってください。

 

破産法での平均配当率は?

冒頭で体感的には0%~5%程度と書きましたが、破産法での配当率については、明確な調査統計がありません。少し古い統計ですが、平成17年(2005年)度までは裁判所の司法統計資料として、個人・法人合算の配当率が「第107表 破産事件の配当による終結事件数―通常の破産債権者に 対する配当率別―全地方裁判所」の中で公表されていました。

平成17(2005)年度と直近で公表されている平成30(2018)年度の株式会社による破産既済事件数は、それぞれ6,929件、6,681件と大きな変動がないことから、平成17(2005)年度の資料でも現在と大きく差がないのでは?と推測しています。

 

そこで「第107表 破産事件の配当による終結事件数―通常の破産債権者に対する配当率別―全地方裁判所」をもとに、株式会社の破産のケースの一般債権者に対する配当率を推定してみました。

 

 

破産廃止(残余財産が破産手続きの費用すらカバー出来ない状況→配当率ゼロ)が全体の66%、配当があったとしても配当率5%未満のケースが19%で、配当率0%~5%未満の合計件数は、株式会社の破産宣告総件数に対して85%に達しています。

推定結果が冒頭の「体感的には0%~5%程度」に合致していて、自分自身で妙に納得しました。

 

 

セカンド・オピニオン㈱代表取締役
企業再生人® 小澤隆
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