企業再生人®ブログ

 
セカンド・オピニオン所属の企業再生人®が、企業再生をテーマに発信していきます
カテゴリ:企業再生

ユニコーン企業の評価は難しい

ユニコーン企業の定義は

1 評価額が10憶ドル($1 billion)以上
2 起業10年以内(startup)
3 非上場(private company)
4 テクノロジー企業(必須条件ではない)

の4つと言われます。

 

アメリカの調査会社CB Insightsが世界中のユニコーン企業のリストアップをしているのは有名です。このCB Insightsによる定義では4テクノロジー企業は定義に含まれていません。また評価額が100憶ドル以上だとデカコーン企業(decacorn)、1,000憶ドル以上だとヘクトコーン企業(hectocorn)と呼ばれます。

What is a Unicorn Startup?
A unicorn startup or unicorn company is a private company with a valuation over $1 billion. As of January 2019, there are more than 300 unicorns around the world. Variants include a decacorn, valued at over $10 billion, and a hectocorn, valued at over $100 billion.

CB Insights HPより

 

ユニコーン企業は、上場してユニコーン企業でなくなったり、新たなユニコーン企業が勃興したりと絶え間なく変化しています。CB Insightsでは、ユニコーン企業リスト(The Global Unicorn Club)を公表していて、2019年11月26日現在418社となっています。

これも有名な話ですが、ユニコーン企業の内訳は多くが米国企業、中国企業で占められ、日本企業でリストアップされているは2社のみという悲しさです。

 

ユニコーン企業の評価

ユニコーン企業は評価額が10億ドル以上(1,000憶円以上)と言いましたが、未公開企業であるので、その評価はベンチャーキャピタルを中心とした一部の閉鎖的な投資プレーヤーの中での評価です。

評価額が高いからといって利益が出ているとも限りませんし、会社の規模が大きいとも限りません。投資家がそのような評価を下しているに過ぎません。投資家にとって「巨額の利益をもたらす可能性のある夢のような企業」という期待先行なケースもあります。アメリカ株式市場が過去最高値を更新するなど、活況を呈する株式相場に牽引されている部分もあると思います。

 

オフィスシェア事業のWeWorkの評価

ユニコーン企業の評価が難しい事実を浮き彫りにしたのが、ソフトバンクグループの決算説明です。

ソフトバンクグループは2019年11月6日、2019年7~9月期(3ヶ月)の連結決算~最終損益は約6,453億円の赤字~を発表しました。決算発表の場で孫氏が「赤字でボロボロ」と評したように、4半期営業利益はマイナスに転落の営業損失7,043億円でした。なお半期(6ヶ月べース)では営業損失156憶円、最終損益は5,321億円の黒字です。

ソフトバンクグループは、大別してソフトバンクを中心とした事業利益とファンド運営を中心とした事業利益で構成されています。2019年7~9月期(3ヶ月)が大幅な営業赤字に陥った原因はユニコーン企業wework及びuberらの評価額減少によるものです。

 

ソフトバンクグループのファンド運営は、

ソフトバンク・ビジョン・ファンドは2017年に活動を開始しました。同ファンドは、「ユニコーン(企業価値が10億米ドル以上と推定される非公開企業)」を中心に、AIを活用した成長可能性の大きな企業に対し大規模な投資を行い、中長期的視点から投資成果を最大化することを目指しています。

ソフトバンクグループ 「四半期報告書」より

とあるように、ユニコーン企業への投資が中心なので、このような決算状態があるのは、当たり前といえば当たり前です。

 

ちなみに私は、ファンド以外の事業利益が半期で5,570億円と年間利益1兆円ベースを維持していることと、アリババ株式先渡売買契約決済益として1兆2,185億円もの「益出し」が可能なソフトバンクグループの財務体力の方に驚きました。

 

ユニコーン企業への投資

ソフトバンクグループの決算説明会では、追加投資までしたWeWork事業をいかに復活させるかにかなりの時間が割かれていましたが、WeWork創業者のアダム・ニューマン氏への失望へのコメントも多いものでした。ユニコーン企業の場合、ビジネスモデルだけでなく創業者アントレプレナー(起業家)としての評価要素も大きいので、この点で見誤るかどうかは、投資判断の成否を分けるのだと思います。

 

ソフトバンクグループの今回の決算説明に対しては多くの論調があります。ざっと見渡すと、否定的な論調が多いように見受けられます。

 

孫会長が説明しているように、ソフトバンクグループは既に事業会社から投資会社へと変化しています。

投資の金額の勝敗は3勝1敗。(WeWorkは)6,000億円のマイナスで、(他の投資結果は)1.8兆円のプラス。どれほど反省しなければいけないのかと。反省しすぎて萎縮する必要があるのかと。反省しすぎて萎縮するほどまでいく必要はないと思っている。「大波」ではなく「さざ波」だというのが私の見方

ソフトバンクグループ 決算説明会より

こう言い切れる上場企業経営者が、何人居るんだろうと感嘆しています。ユニコーン企業を生み出せない現在の日本、せめて果敢にユニコーン企業に投資できる会社には頑張ってほしいです。

 

セカンド・オピニオン㈱代表取締役
企業再生人® 小澤隆
企業再生をテーマに情報発信 「企業再生人®ブログ

 

【玉利ようこ】
企業再生テーマのビジネスコミック 「企業再生人®ブログ

 

コメントは受け付けていません。