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カテゴリ:企業再生

分かり易いIRR(内部収益率)の使い方

IRR(内部収益率)をザックリと説明すると

一定期間内における投資元本回収分も含めた投資収益率

です。ムズカシイ計算式を覚える前に、この理解が出来ていれば充分使えます。

 

IRR(内部収益率)をイメージしてみる

定期預金や国債なら、償還期間までの利息といった定額金額が期間利益となり、期間最終時が投資元本回収になります。そして利息や利回りの利率がIRRとほぼ同じになります。(正確には時間・割引率の概念が入るので、ズレが生じます)。

 

賃貸不動産の利回りだと、一定期間内の家賃収入と賃貸不動産売却金額の合計を考慮して収益率を考えます。期間中盤までの収益率が定期預金や国債より高いのは当たり前で、投資元本の回収リスクを考慮していないからです。期間終了時の不動産売却額によって収益率が大きく変動し、最終的にマイナスになるかもしれませんし、大儲けなのかもしれません。

 

上記の定期預金・国債や、賃貸不動産投資だと期間内の収益が毎年同じなので比較的イメージがしやすいのですが、会社・事業への投資プロジェクトでは毎年の収益額が同じではありません。当初はマイナスでその後大きく利益になっていくのかもしれません。このように毎年の収益がバラバラの投資も「利回り」の概念で収益率を計算し、各収投資プロジェクトを収益率によって比較しやすいようにしようとする指標がIRR(内部収益率)です。

 

このIRR(内部収益率)の概念を知っていると、

「その賃貸不動産の実質利回りが高いと自慢して売ろうとしているけど、IRRでは何%なんだ? 何、将来売却額を買った値段と同じと仮定した利回りだと?アホか!」

とか

「投資プロジェクトのIRR10%って、どんなキャッシュ・フロー予測をしているのか見せてみぃ。何コレ、なんで予測が1年分しか無いんだ!コッチは毎年の収益が同じっていう仮定って、安直過ぎやろ!」

というように、詐欺紛いの金融商品営業トークを弾くことが簡単になります。ちなみに、なぜ関西弁なのか?については大きな意味はありません。

 

IRR(内部収益率)の正確な定義

内部収益率(ないぶしゅうえきりつ、Internal Rate of Return、IRR)法とは、投資によって得られると見込まれる利回りと、本来得るべき利回りを比較し、その大小により判断する手法のこと。IRRとは、投資プロジェクトの正味現在価値(NPV)がゼロとなる割引率のことをいう。

内部収益率は、正味現在価値と同様、プロジェクトが創出する全てのキャッシュ・フローの現在価値を考慮するという特徴を有している。内部収益率法はプロジェクトを利回りという率で表しているのに対し、正味現在価値法はプロジェクトをNPVという金額で表している。

C0: 初期投資額
C1~Cn: 投資によって得られる各年のキャッシュ・フロー(マイナスもあり得る)
r:  内部収益率

 

ウィキペディア「内部収益率法」より抜粋

 

この計算式には既視感がありませんか? 株価評価で出てくるDCF法とそっくりです。この計算式には時間概念が含まれていて、「例えば、同じ利益100万円でも1年目に手に入る100万円と10年後に手に入る100万円では、1年目に手に入る100万円の方が価値は高い」となっています。

過去の異なる投資プロジェクトの実績値をIRRで示すと、異なる期間の投資プロジェクトでも比較対象になり得るのです。

 

IRR(内部収益率)による投資案件の比較例

言葉だけで説明しても分かりづらいので、異なる1,000万円の投資案件を例にしてみました。

① 5%利回りの国債購入
② 年間200万円の家賃収入となる不動産投資
③ ビジネスへの投資

便宜上、投資期間は3年で、3年間の累計投資利益が同じ150万円になるように設定しています。

こうして眺めると、全然性格の異なる投資案件でも比較可能になります。アナタならどの投資案件を選びますか?一番IRRが高い②でしょうか?

 

実際にはIRR(内部収益率)が高いから良いとするのではなくて、この程度のIRRの差なら不動産売却額の変動リスクやビジネスの収益リスクを考慮すると国債投資が選ばれると思います。

 

このように、投資案件を比較するだけでなく、どの程度のリスクを取る場合にどの程度の収益を必要とするか? この想定キャッシュ・フロー投資案件だったらどの程度までのリスクを取れるか?といった投資判断材料にする指標がIRR(内部収益率)です。単純に高い・低いから良い・悪いとなるのではありません。

過去の実績値の比較ならともかく、投資案件の将来予測キャッシュ・フローなんて、誰も正確には予測不可能です。それを踏まえての投資指標です。

 

「絶対儲かる」「高利回り」「老後の対策に」といった常套文句に出会った場合に、「で、10年間のIRR(内部収益率)は何%?」と営業マンに聞いてみて下さい。きちんと答えられない営業マンなら、信用しなくてよい相手ですから。

 

企業再生人® 小澤隆
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