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カテゴリ:企業再生

経営破綻と未払賃金の立替制度

2020年1月に1700年創業、百貨店としても 70 年を超える歴史を持つの山形市の老舗百貨店「大沼」が経営破綻して突如閉店しました。「大沼」の経営破綻により、山形県は日本で唯一の百貨店がない県となりました。

破産の百貨店、全員解雇 元従業員ら怒り「生活狂った」

破産手続きが始まった百貨店「大沼」(山形市)の元従業員らの再就職支援説明会が30日、山形市の山形ビッグウイングで開かれた。26日付で全員解雇となった正社員、契約社員、パート社員ら約180人が、失業給付や再就職などについて説明を受けた。

(略)

元従業員からは突然の閉店に怒りや不安の声が上がった。

勤続30年以上という外商の60代男性は「26日は休みだったが会社から電話で『午後7時に店に集まれ』と言われ、行ったらいきなり『破産します、解雇します』。周囲の同僚は泣くわポカンとするわ。経営が苦しいのはわかっていたが全く予兆はなく、私も一瞬何が起こったのかわからなかった。今後の生活設計が完全に狂った」と語った。

朝日新聞デジタル 2020/01/31配信より抜粋・引用

 

山形公共職業安定所によると、この規模の即時解雇は近年例がないとし「地域経済への影響も大きい。早急にセーフティーネットを張るため、説明会を開いた。個々のニーズを把握して支援したい」と話した(同記事より抜粋・引用)とのことです。

再就職支援説明会では、失業給付を受けるために必要な「離職票」が元従業員らに交付され、未払いの1月分の給与や退職金の一部を国が立て替える制度などの説明がされました。

 

未払賃金の立替制度

未払賃金の立替払制度とは、企業が「倒産」したために、賃金が支払われないまま退職した労働者に対して、その未払賃金の一定範囲について労働者健康福祉機構が事業主に代わって支払う制度です。

 

ここでいう企業とは、労災保険の適用をしている会社・自営業者です。また労働者には、会社役員は含まれません。

立替払をする額は、未払賃金の額の8割相当で、退職時の年齢に応じて88万円~296万円の範囲で上限が設けられています。賞与は立替制度の対象外です。

 

会社が倒産した場合、未払賃金や退職金も破産手続きによって回収されます。その手続は1年超になることも多く、仮に手続きによって回収されてもその回収額は微々たるものであることが多いです。経営破綻時には企業の資金繰りが悪化していて未払賃金が発生する確率は高く、労働者側からすると、賃金未払いのまま倒産されては堪りません。

 

雇用保険による失業給付」は有名ですが、「未払賃金や未払退職金の立替制度」も労働者を守るセーフティネットの一つです。

 

厚生労働省の公表資料によると、平成30年度の立替払い状況は、
・企業数は、2,134 件(前年度比7.8%増)
・支給者数は、23,554 人(前年度比4.9%増)
・立替払額は、86 億 9,584 万円(前年度比0.4%増)
でした。

 

大沼のドタバタ破綻劇

老舗百貨店「大沼」の経営破綻自体は、百貨店不況の中で「残念だけどさもありなん」と思う経営破綻です。しかし今回の破産申請に至るドタバタ劇は、「なんでこうなる?」というものでした。

 

このドタバタ破綻劇について次回のBlog記事で触れようと思います。

 

 

企業再生人® 小澤隆
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