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カテゴリ:企業再生

Re-post: 特別清算はイメージが良い?

同じ経営破綻のニュースでも「自己破産」と「特別清算」だと、かなりイメージが違います、という内容のBlog記事再掲載です。

 

特別清算はイメージが良い?(2018年12月19日投稿)

会社が経営破綻した際のニュースでは「破産」と「特別清算」のどちらかが使われています。どちらも債務超過の会社の倒産(清算)手続きで、裁判所が選任した破産管財人または特別清算人が,債務者である会社の残余財産を換価処分して,それによって得た金銭を債権者に分配し終了します。一番大きく違うのは、周囲に与えるイメージだと思います。

会社の清算は、『会社の「誕生」と「終わり」』でも書きましたが、必ず法的手続きによって解散する必要があります。そうでなければ「休眠会社」として放置されたままになるのですが、周囲にも代表者自身の再起にも悪影響を及ぼす最悪の状態になってしまいます。

 

特別清算が選択出来る条件

さて、「破産」と「特別清算」が同じ債務超過の会社清算手続きであるなら、できるだけイメージの良い「特別清算」を選択したいのですが、無制限に「特別清算」を選択できる訳ではありません。

債権者の1/2以上、かつ議決権のある債権者のうち、2/3以上の債権額を持った債権者の同意が得られる。(会社法567条1項2号)

場合に、「破産」ではなく「特別清算」の選択が可能になります。会社の負債のうち2/3以上の金額の同意というと、親会社や銀行等の大口債権者との事前合意が成立可能なケースです。事前合意が成立しないような場合は、債権者の同意が不要な「破産」を選択するしかありません。(破産」の場合は、債権者が全員反対しても破産手続が進み強制的に会社が解散します。

会社法 第2編 株式会社
第9章 清算 第2節 特別清算 第9款 協定

(協定の可決の要件)
第567条 第554条第1項の規定にかかわらず、債権者集会において協定を可決するには、次に掲げる同意のいずれもがなければならない。
一 出席した議決権者の過半数の同意
二 議決権者の議決権の総額の3分の2以上の議決権を有する者の同意

 

特別清算になるケースとは、親会社が大口債権者としてかなりの割合を貸付していたとか、親会社が会社負債の肩代わりを目的に他の債権者の債権を買い取って2/3以上の債権者になる等のケースが想定されます。実務的にも特別清算出来るケースは、上場企業の子会社清算や第3セクター会社清算のケースが多いのです。

 

期限切れ欠損金の損金算入

大口債権者による債権買取りや債権放棄が前提なら、何も倒産の「特別清算」ではなく、債権放棄による債務免除益で債務超過を解消し、通常の「解散」手続きで良いのでないか?と思われた方はスルドイです。

この場合は債務免除益への課税という問題が生じます。

債務免除益を相殺可能な「税務上の繰越欠損金」が存在していれば良いのですが、殆どの場合「税務上の繰越欠損金」を期限内に使い切れず、債務免除益を相殺しきれません。そうすると、通常の「解散手続」では多額の債務免除益に課税を受け、債務超過会社を解散させるのに「追い銭」のような無意味な税金が発生してしまうのです。

 

しかし、裁判所が関与する破産手続・特別手続の場合は「法人が解散した場合の設立当初からの欠損金額の損金算入制度(法人税法59条2項)」の適用が認められるので、(法人税法施行令117条2項)、債務免除益への課税問題がクリアされるのです。

 

実際、上場企業の債務超過子会社の清算は、既に相応分の損失計上を今までに計上済みなので、「法人が解散した場合の設立当初からの欠損金額の損金算入制度」適用を目的に特別清算手続を選択するケースが多いのです。勿論、上場企業の子会社と言えど、「他の債権者の分まで部分的にでも負担するなんてトンデモナイ!」と実利を取って、イメージや評判が悪化するとしても破産手続を選択するケースもあります。

 

 

セカンド・オピニオン㈱代表取締役
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