年末年始の風景①:儀礼的プレゼント
「お知らせ」のとおり、弊社は12月28日(木)~1月5日(金)の期間、年末年始休業期間となっています。普段、当Blogでは企業再生を中心とした経済・時事問題をテーマに書いていますが、休業期間中なので、これらとは無縁の話題を取り上げようと思います。
今回の話題は「儀礼的プレゼント」です。
儀礼的プレゼント
最近の私の活動は、関与する事業に連動してアジアを中心とした海外での活動が多くなっています。そうするとお国によって文化・習慣が違うのですが、同じ国のなかであっても宗教・人種・文化によって差もあります。この辺りが日本とは違う感覚になります。
例えばアジア全般では、まだまだ賄賂的習慣が残っていますが、シンガポールでは賄賂について厳しい法律が存在し政府関係者・公務員はいかなる贈り物、特に金銭は受け取りません。(その分、政府関係者や上級公務員は高給取りです。)他のアジア各国も法律上賄賂は禁止されていますが、その運用はマチマチで、ビジネス上でも平然と袖の下を要求されることが多いです。その金額にもおおよその相場観があって、その相場の範囲なら「儀礼的プレゼント」と納得できますが、その相場観を超えた高額要求は断固として断ります。
ちなみにアジアでは
★贈り物を受け取る前に一度断ってくることがある。
★贈り手の前で贈り物を開けるのは、その人が強欲で忍耐弱いとの印象を与えると考えられていて、マナー違反。
★中華系の方に料理や食べ物を持っていくのは厳禁。料理を持参することは歓待が十分でないとの示唆となり、招待者にとって非常な侮辱となってしまう。
★中華系の方に贈り物として時計を贈るのは最大のタブー。中国語で”時計を贈る”というのは”死んだ両親や年配者のために埋葬の準備をする”という意味になり、ケンカをふっかけるようなものです。
等々、色々な地雷が存在します。「贈り物を目の前で開ける」のは日本やアメリカでは、どちらかというと、相手に断ったうえで開ける方が礼儀だと思いますし、時計も無難な贈り物だと思いがちです。最初のミスは不慣れな日本人として許容して貰えるでしょうが、やはり迷惑はかけたくありません。この辺りはその国のスタッフに聞いておくのが一番です。
旧正月のお年玉
中国の旧正月においては、赤い封筒にお金を入れた「お年玉」を子供や政府関係者以外の仕事相手に贈るのが習慣となっています。このため私もスタッフ全員に縁起の良い数字「8」にちなんだ金額を配ります。面白いのは、スタッフ一同からもお返しに「お年玉」を頂くことです。仕事場でお金の「お年玉」が遣り取りされる光景は、初めての時は「あぁ、文化の違いだなぁ」としみじみと思ったものでした(笑)。
セカンド・オピニオン㈱代表取締役
企業再生人® 小澤隆
企業再生をテーマに情報発信 「企業再生人®ブログ」