提案内容のレビュー
先日、監査法人時代のお知り合いに5年振りくらいにお会いしました。彼は会計事務所・コンサルティイング会社を運営しているのですが、彼の所に事業承継M&Aや企業再生の相談が相次ぎ、思案しているうちに私のことを思い出したのだそうです。
この方にお会いする直前にもお知り合いの弁護士から似たようなご相談を受けました。お知り合いの弁護士・会計士などからの相談は前から良くあるのですが、最近共通するのは
「M&A仲介会社に相談したが、彼らのM&A成立すれば何でもイイという姿勢に辟易して、もっと親身に相談を受けてくれるところはないのだろうか?」
と会社社長が悩み、弊社にご相談が回ってくるパターンです。
活況を呈する中小企業のM&A
2018年7月のブログ「M&A仲介会社」でも書いたのですが、後継者難による事業承継への危機感と、「M&A=会社の身売り」のような以前抱かれていたマイナスイメージが薄れたこともあって、中小企業のM&Aが近年とても活発になっています。
これに呼応してM&A仲介会社の業績も良く、日本M&Aセンター(東証1部 2127)、GCA(東証1部 2174) ストライク(東証1部 6196)、M&Aキャピタルパートナーズ(東証1部 6080)といった上場M&A仲介会社に続けと、新たなM&A仲介会社が数多く設立されるようになりました。
一方で、M&Aの対象となる顧客争奪競争の激化と、M&A仲介会社営業マンのインセンティブ制度による高報酬化により、かなり強引な営業スタイルやM&A説明が散見されるようにもなりました。そのため、これらM&A仲介会社営業マンの提案する内容をレビューして欲しいというご相談を受けることもあります。
なお弊社では、残念ながらそのようなレビューのみのサービスを提供はしていません。ただお知り合いの弁護士・会計士の方からのご相談なので、あくまで私見として無料でご回答はしています(笑)
M&Aアドバイザリーサービスもコモディティ化
中小企業のM&Aが活発になること自体は、会社の経営選択肢が増加するので良いことだと考えています。またM&A仲介会社が増えてM&Aに関する知識・サービスが一般化すればするほど、M&Aアドバイザリーサービスもコモディティ化して、アドバイザリーサービスの均質化と低廉化も進むだろうと思います。少なくとも、過去に多かった金融系出身の胡散臭い個人コンサルタントが駆逐されることになるでしょう。
M&Aそのものではなく、中小企業向けM&Aアドバイザリー業務の現況は、個人的にはバブル状態なのだと考えています。複数の弁護士さん・税理士さんに
「クライアントからM&A仲介会社の件で相談を受けたんだけど、あの報酬金額を見ていると、自分の請求報酬金額が悲しくなる。」
という愚痴(笑)を聞くことがあります。でも心配ありません。バブル相場は必ず修正されてゆきます。M&Aアドバイザリーサービスがコモディティ化された際に、顧客志向で適正報酬金額を提示するM&A仲介会社のみが生き残っていくに違いないのですから。
セカンド・オピニオン㈱代表取締役
企業再生人® 小澤隆
企業再生をテーマに情報発信 「企業再生人®ブログ」