Re-post: M&A仲介業者
M&A仲介業者は上場/非上場から会社規模・経験値から見ても玉石混合です。M&A仲介業者の乱立から始まってM&Aバブルの様相がありましたが、そろそろ淘汰の時期を迎えています。
そんなM&A仲介業者に関するBlog記事の再掲載です。
M&A仲介業者(2018年7月11日投稿)
2018年7月5日の企業再生人® ブログ「中小企業の後継者難」で、「中小企業のM&A(会社売却)が活発になっている」と書きましたが、視点を変えてM&A仲介業者を見てみましょう。
高給与のM&A専門会社
【東洋経済オンライン 2018年1月3日記事
「平均年収「全国トップ500社」最新ランキング」より抜粋】
これは日本の上場企業の従業員平均年収ランキングです。この上位ランキングTOP10の中に
1位 GCA
2位 M&Aキャピタルパートナーズ
5位 ストライク
10位 日本M&Aセンター
と、なんとM&A専門(M&Aアドバイザリー)会社が4社もランクインしているのです!TV局や銀行・総合商社といった日本の名だたる年収の高い上場企業らを抑えてランクインしている状況は、いかにこれらのM&A仲介会社が儲かっているかを示しています。
M&Aの案件規模と仲介業者
M&Aアドバイザリー業務は、外資系金融機関・大手証券会社・メガバンク等の投資銀行業務部門が先駆的にサービス提供を実施していますが、手数料1億円以上とM&Aサイズが比較的大きなものに限定されていました。
M&Aへの理解が浸透してきたここ10年の間に、メガバンク以外の銀行、中堅以下の証券会社もM&A仲介業務を手掛けるようになり、手数料が数千万円単位のM&Aサイズの担い手仲介業者が存在するようになりました。
また、先述した日本M&AセンターらのM&A専門会社の登場により、手数料が1千万円超程度の規模の比較的小さいM&Aの担い手も登場してきました。これは中小企業のM&A市場が活発になっていることと、事業承継問題とともにM&Aニーズが高まっていることが後押しになっています。
【中小企業庁「事業承継に関する現状と課題について」より】
M&A仲介業者の手数料が適正なのか?
この手数料の金額については、様々な意見があると思います。M&Aアドバイザリー業務は高度な知識と専門性が必要とされるため、これを担える人材が少なく、手数料・報酬も極めて高くて当然と言われている時代がありました。
M&A専門会社が売上を軒並み伸ばして高い収益力を維持している状況から鑑みれば、需要と供給の関係から、それだけの手数料報酬を支払っても依頼者は満足しているのだと推測できます。個人的には、「サービスの内容の割には、報酬が高すぎるんじゃないか?」と思っています。
中小企業のM&A案件数が増加して、M&Aの担い手が増加すればするほど、そのサービスはコモディティ化して価格の低廉化を起こすと思います。またM&Aアドバイザリーについては、何も法的規制がないため、その能力が玉石混合で、怪しげなM&A仲介業者も多いと思います。手数料報酬が安いという理由だけでM&A仲介業者を選別するのはリスクが高いので注意して下さい。
セカンド・オピニオン㈱代表取締役
企業再生人® 小澤隆
企業再生をテーマに情報発信 「企業再生人®ブログ」
【玉利ようこ】
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