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カテゴリ:企業再生

企業再生会社の上場

2020年9月7日にフロンティア・マネジメント株式会社が、東証マザーズから東証1部へと市場替えしました。フロンティア・マネジメント株式会社が東証マザーズへ上場したのは2018年9月28日なので、上場から約2年間で東証1部へと鞍替えしたスピード出世です。

 

フロンティア・マネジメント株式会社は、産業再生機構時代にカネボウ、ダイエーの事業再生で名を馳せた大西正一郎弁護士、松本真宏氏(元証券アナリスト)が中心となって設立した会社で、経営コンサルティングやファイナンシャル・アドバイザリー業務が中心ですが売上のうち約12%は再生支援業務という事業再生系のコンサルティングを得意とする上場企業です。

 

日本M&Aセンター、ストライク、M&AキャピタルパートナーズといったM&A仲介会社の上場が相次いでいましたが、事業再生系のコンサルティング会社の上場は珍しいな、と思っていました。

 

産業再生機構の遺伝子

株式会社産業再生機構(さんぎょうさいせいきこう)とは、株式会社産業再生機構法という特別法に基づき、2003年から2007年の4年の間だけ存在した日本の特殊会社です。2003年4月16日設立され、当初は5年間の予定でしたが対象事業者への支援が全て終了したことから、1年早く2007年6月5日に清算結了しました。

概要

日本の産業の再生と信用秩序の維持を図るため、有用な経営資源を有しながら過大な債務を負っている事業者に対し、事業の再生を支援することを目的とし、そのために、債権買取り、資金の貸付け、債務保証、出資などの業務を営んだ。再生支援の決定は、事業者と債権者たる金融機関の連名による支援申請を前提としていた。

主として、金利減免などを実施した「要管理先」債権を、非主力取引銀行から設立後2年間(2005年3月末まで)のうちに割引価格で集中して買い取り主力取引銀行と協力して債務の一部免除、デットエクイティスワップ(債務の株式化)などで再建を進めるというものであった。債権や株式は、3年以内(2008年3月末まで)に新しい再建スポンサーに売却し、不採算事業の整理などの事業の再構築を実行していた。

当初は5年限定の組織とされていたが、同機構の支援が予定よりも早く進み、対象事業者への支援が全て終了したことから、1年早く2007年3月15日をもって解散し、清算会社に移行。同年6月5日をもって清算結了した。存続期間中におよそ312億円を納税、解散後の残余財産の分配により更に約432億円を国庫に納付したため、国民負担は発生しなかった。職員のうち公務員の占める割合は1割程で、他は民間出身者が占めていた。

ウィキペディア「産業再生機構」より抜粋・引用

 

主な対象先は、前述したカネボウ、ダイエーが有名です。これ以外にも、九州産業交通・ダイア建設・大京と活動期間中に再生支援が決定した事業者は計41社にのぼります。その中にはパソコンスクールの「アビバ」、「鬼怒川グランドホテル」といった会社もありました。

 

似たよう名前に、企業再生支援機構(2009年10月~2013年3月)があります。こちらは経営破綻したJAL支援で有名ですね。時限立法による成り立ちや運営方法等、2007年に消滅した産業再生機構とほぼ同じです。なお、企業再生支援機構は地域経済活性化支援機構に改組・改名されて、現在に至っています。

 

産業再生機構が終了した後も、その主要メンバーは事業再生に携わり続けた方が多いのです。「JAL再生タスクフォース」のリーダーになった高木新二郎氏、サブリーダーになった冨山和彦氏をはじめ、大西正一郎氏も「JAL再生タスクフォース」に名を連ねます。

そして産業再生機構の遺伝子は冨山和彦氏の株式会社経営共創基盤、大西正一郎氏・松本真宏氏によるフロンティア・マネジメント株式会社といった民間会社に引き継がれていきました。

 

事業再生を手掛ける上場企業

事業再生(ターンアラウンド)で有名な大西正一郎氏・松本真宏氏が設立したフロンティア・マネジメント株式会社の上場ですが、有価証券報告書にあるように、主要売上経営コンサルティングやM&AのFAサービスから構成されていて、事業再生は脇役になっています。

 

M&A仲介専業の会社のように、企業再生や事業再生専業の会社が上場するってあり得るのか?と個人的興味は尽きません。どなたかそういう挑戦をしてくれないかな?と密かに期待しています。

 

 

企業再生人® 小澤隆
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